出だしは最悪だった。目の前に迫った目標を意識してか、チームに硬さが見られた。序盤で珍しいコンビミスが出ると立て直しがきかず、中盤では7点のビハインド。秋山主将がツーアタックで崩しにかかるも、シャットされてリズムがつかめない。結局12-25という点差で、第1セットを落とした。  しかし、「あれだけ大差で負けて、逆に吹っ切れた」(秋山主将)と、第2セットは真逆の展開を見せる。最強のチャレンジャーが、目を覚ましたのだ。25-11でこのセットを奪い、第3セットも接戦をものにした。  このまま勝負を付けたい青学大と、フルセットに持ち込みたい嘉悦大。両者の想いがぶつかりあった第4セットだったが、一歩抜け出したのは青学大だ。エース内田の頭脳プレー、二川副将のブロード・ブロックで中盤一気に畳みかけた。    いよいよゴールが見えてきたとき、ベンチから主務の柴田麻衣子(営4)が呼ばれた。ピンチサーバーだ。あと2点で、優勝が決まる。「普段はしないけど、このとき初めてボールに祈りをこめました」(柴田)。柴田にとって、インカレはバレー人生最後の舞台。その想いが伝わったかのように、放たれたサーブはすとんと落ちた。変化球に対応しきれなかった、相手エースの腕を弾く。最高のタイミングで飛び出した、『サービスエース』だった。「マコ(柴田)のサーブポイントで、勝てると確信した」(二川副将)。もう、敵はいなかった。最後は内田が2年連続となる決勝弾を打ち込み、試合終了。「笑って終わるはずだったんだけど・・・」(秋山主将)、コートは嬉しい『涙』で溢れていた。  チームのスタートと同時に打ち立てた『5冠達成』のシナリオを、生瀬良造監督指揮の下、チーム全員で見事に演じ切った。『最強』の名にふさわしいチームが、今ここに誕生したのだ。(萌) ◆今日の結果◆ 青学大○3-1●嘉悦大     (12-25)     (25-11)     (25-22)     (25-20) ※青学大、2年連続3度目の優勝!! MVP・セッター賞 秋山美幸       猛打賞 内田暁子       MIP賞 天野里美     レシーブ賞 千葉智枝美  生瀬監督コメント 「本当に嬉しい。やればできるということを実証できた。最初の5冠、先駆者になれたことを誇りに思う。日本一は昨年度達成したから、それを越える練習をしてきた。4年生は学業もバレーも本当によくがんばった。100点満点をあげたい」 秋山主将コメント 「5冠に、インカレ連覇・・・『あぁ、そんなすごいことやっちゃったんだ』って感じで、自分がそんなことをしたなんて信じられない。素直に嬉しい。試合中は、青学大でバレーができる喜びをプレーで表現しようと思っていた。大会を通して、本当にたくさんの方々が応援に足を運んでくれた。たくさんのエネルギーをもらい、感謝してもしきれない」 二川副将コメント 「試合に勝った、ぐらいの意識しかなかった。でも周りから『おめでとう』と言われて、だんだん実感がわいてきた。昨年度は筑波大に勝てて、本当に嬉しかった。今年度は勝たなきゃ、という気持ちから解放された感じ。どのチームも、負けるために来てはいない。更にそこに勝たないと、という気持ちでいた。笑って終わろうと決めていたので、笑って終われてよかった」 島副将コメント 「すごく嬉しい。でも自分の評価を入れると、硬いままだったので…。勝てたのは、みなさんのおかげ。昨年度は初めての日本一で、今年度は自分たちで勝ち取ったもの。濃いものになった。正直、(5冠は)やれると思っていなかった。危なかった秋季リーグを乗り越えて、現実になってよかった」 柴田コメント 「5冠を目標にしてきたけど、実感がない。入学したときは入替戦だったし、高校でも日本一になったことはない。『(5冠)した?した??』という感じ。ベンチから呼ばれた瞬間に4年間がよみがえってきた。生瀬監督が信頼してくれているのが伝わって、がんばってきてよかったと思った。あの1本のための4年間だったんだと思う」 内田コメント 「とても嬉しい。たくさんの方が応援に来てくれたので心強かった。応援してくださった皆様、影で支えてくださった皆様にお礼を言いたい。おかげで1セット取られても落ち着いてプレーすることができ、最後はみんなの強い気持ちで優勝することができた」 川上コメント 「とても嬉しい。3年になり、昨年度とはまた違った緊張感があったけど、終わった瞬間、魂が抜け出た。周りで応援してくださった方々や支えてくださった方々、生瀬さん・ナオさんや仲間に感謝の気持ちでいっぱい」 天野コメント 「今日は決まらなくて、上がらなくて調子が悪かった。それでもコートでずっと笑っていられたのは、チームで勝ちたい気持ちが強かったから。秋季リーグからサーブは狙われていたので、(キャッチを返す)自信がついた。MIPをとれたのは、周りの人が支えてくれたから。4年生がいなくなるのは寂しいし辛いけど、残してくれたものをひきついで新しいチームをつくりたい」 千葉コメント 「本当に5冠したんだなぁ、というか、終わった感じがしない。今日が一番まともにできた。第1セットは焦ってしまって、目を見られていなかった。でもあのセットがあったから、そのあとちゃんと走れた。今年度のこういう結果を、来年度以降につなげられたらと思う。レシーブ賞はびっくりした。後ろにいるときも盛り上げて押していけるように、死にものぐるいでがんばった」

歴史刻んだ大会連覇!大学女子史上初の『5冠』達成!!

全日本大学選手権 於東京体育館他

◆今日のスターティングメンバー◆
 1 セッター 秋山美幸(史学4年)
 2 センター 島薫里(国際政治4年)
 3 センター 二川万里子(教育4年)
 8 レフト 内田暁子(経営3年)
10 リベロ 川上佳奈(英米3年)
12 ライト 天野里美(国際政治2年)
19 レフト 千葉智枝美(経済1年)


 準決勝で日体大との死闘を制し、最終日は嘉悦大との優勝争い。プレッシャーからか第1セットは大差で落とすも、その後3セットを連取し勝負を決めた――。

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