全日本大学選手権 於 東京体育館他
◆スターティングメンバー◆
1 レフト 内田暁子(経営4年)主将
4 リベロ 川上佳奈(英米4年)副将
6 ライト 天野里美(国際政経3年)
7 セッター 土田望未(史学3年)
8 センター 米川侑希(史学2年)
9 センター 浦澤奈美(国際政経2年)
13 レフト 千葉智枝美(経済2年)
※第2セット以降 セッター土田→15 伊藤彩香(フランス2年)
第3セット ライト天野→千葉、レフト千葉→14 江森圭美(経営2年)
第4セット以降 レフト千葉→江森、ライト江森→天野
頭に描いたシナリオは無情にも、『想いの強さ』ゆえに崩れ去った。史上3校目の大会『3連覇』を懸け、準々決勝まで失セットゼロで突き進んだ青学大。速いコンビも活き、プレーの完成度は増していた。しかし、準決勝では「絶対に勝ちたいという気持ちが強すぎた」(内田主将)。気負いが視野を狭め、持ち味のコンビバレーは鳴りを潜めてしまった。結果、高さのある嘉悦大の前に1-3で敗戦。第4セットは12点に抑えられ、完敗だった。
最終日、早大との3位決めでも、「切り替えようと思いすぎて、いつもと違う硬さを生み出してしまった」(川上副将)。第1セットでは23-21と2点のリードから巻き返され、ジュースに突入。26-28で早大が先制した。リードしても追いつかれ、追い越される。気持ちとプレーが噛み合わないまま第2セットも22-25で失い、土壇場に追いやられた。
このままでは終われない。負けることより、『らしさ』を出せないことが何よりもどかしかった。「何でこうなってしまったんだろう」(内田主将)と考えると、ようやく自分が焦っていたことに気が付いた。「スポーツは、余裕がない方が負ける。みずから負けに行っていた」(川上副将)。「腹八分で行こう」(内田主将)。余計な力が抜け、視界が一気に開けた。

第3セットはエース内田主将が復活。サービスエースで勢いを付け、移動攻撃で相手を振り回す。ブロックに何度捕まっても「もう一本」と大声でトスを呼び、豪快にスパイクを決めた。
中盤から相手攻撃にワンタッチを掛け、青学大レシーブにリズムが生まれる。しかし、18-19と競った場面で、左肩のケガを押して出場し続けたエース千葉が離脱。チームに不安が立ちこめた。
嫌な空気を振り払ったのは、レフトの江森だった。「4年生を、絶対に勝たせたかった」(江森)。ブロックアウトやコースを器用に打ち分け、一人で5連続ポイントをたたき出した。センター浦澤の速攻でこのセットをものにすると、流れは大きく青学大に傾いた。
第4セットは序盤からリードを広げた。内田主将の強打、ハーフスパイクが次々に決まるとそれに応えるように江森も奮闘。18点で早大を抑え、勝負の第5セットを迎えた。
ファイナルセットは意地と意地のぶつかり合い。互いにレシーブで粘り、息をのむラリーを展開する。ラストは、青学大の気持ちがまさった。拾ってつなぐ『全員バレー』で早大を突き放し、銅メダルをもぎ取った。

目指すものとは違う結果に終わった。しかし、最後の試合を『勝利』で飾れるチームは全国でたった二つだけ。勝って終われたその事実に誇りを持ち、胸を張ってほしい。青学大の『女バレ』には、涙よりも笑顔が似合うのだから。(萌)
4年生をはじめ選手のみなさん、監督、コーチ、スタッフの方々、1年間本当にお疲れさまでした!
◆今日の結果◆
青学大○3-2●早大
(26-28)
(22-25)
(25-22)
(25-18)
(15-10)
MIP賞 江森圭美

生瀬良造監督コメント
「それぞれが自分の役割を果たした。早大に胸を借りるつもりで挑んだ。今年度はワールドカップに携わり、大学に持ち帰ることのできる大きな収穫があった。結果は出せなかったが、これからまた世界で戦えるチームを目指したい」
内田主将コメント
「最後は後輩がくれた勝利だと思っている。私自身が切り替えられていなかった部分を後輩がカバーしてくれた。優勝の体験をさせてあげられなかったのは悲しいし悔しい。4年生の1年間は責任が大きくて、苦しいこともつらいことも多くあった。でも、考え方や人への接し方が変わり、自分の成長につながるものだった。(後輩へ一言)技術は伸びるし、元々ある子も多い。鍛えなきゃいけないのはメンタル。自分で自分に厳しくしたり、人から言われたことをそのまま受け止める強さを身に付けて、次は優勝してほしい」
川上副将コメント
「勝ったのは嬉しい。でも、ここまで自分たちのためにがんばってくれた後輩に、優勝のすばらしさを伝えられなくて悔しい。この大会を通して、後輩の成長をすごく感じた。だからこそ、私たちの力不足だったのだと思う。昨年度の4年生を見ていた1年間と、この1年間で感じたことは全然違った。つらくても、それを表に出したら後輩も不安にさせてしまう。自分自身で考えて、耐える力が身に付いた。(後輩へ一言)『大学スポーツはメンタルが90パーセント』とよく生瀬さんがおっしゃっているように気持ちが大事。しんどくなったときには、今日首から提げたのが何色のメダルだったのかを思い出してほしい」
土田コメント
「昨日はトスが高くてブロックが振れず、替えられてしまった。『4年生のために』という気持ちばかりで、プレーで表せなかった。センターコートは緊張したけど、やることに変わりはない。緊張に負けるようでは全然だめ。4年生は気持ちを全面に出す人だった。怒られたりもしたけど、支えてくれたのも4年生。本当は優勝させてあげたかった」
天野コメント
「勝ってよかったけど悔しい。上に行けたし、優勝も狙えた。今日は(昨日とは)戦う相手が違うし、4年生はラスト。優勝のプレゼントはできないけど、最後は勝って終わりたかった。最初の2セットはガマンどころでガマンできなかったのが敗因。『ここから3セット行こう』と切り替えた。キョウさん(内田)とは、8年間一緒だった。一番厳しかったけど、一番優しくてお姉ちゃんみたいな大きな存在だった。来年度も感謝を忘れず、明るいチームをつくりたい」
米川コメント
「4年生を勝たせてあげたかった。下から押し上げてもっとがんばれたはず。前半は焦りがあった。センターがもっと取れていればよかった。4年生が引っ張ってくれた。主将はチームのことも考えてプレーでも引っ張ってくれるから、自分もがんばらなきゃと思った。(4年生に)本当に感謝したい」
浦澤コメント
「最後は勝って終われてよかったけど全体的に自分のバレーをできなかった。気持ちからプレーが生まれる。気持ちが強いチームの方が強い。4年生が強くて引っ張ってくれたから、逆に支えてあげようと思った。(今期のチームは)強くはない。努力の合わさったチーム。4年生の思いを受け継いで来年度、再来年度がんばりたい。ありがとうございました」
千葉コメント
「出だしは力が入りすぎていた。3セット目から力が出始めた。秋リーグや自分が出られなかったのも含めて全部ぶつけようと思った。よいときも悪いときもあったが、それも実力。(4年生は)1年生の時からいろんなものを背負ってきた学年。背中を押してあげられるようなプレーが出せたと思う。最後まで迷惑をかけて申し訳なかった。4年生とここまでやって来たことを忘れないで、来年度がんばりたい」
伊藤コメント
「4年生が最後だから、勝たせて終わらせてあげたかった。あきらめないで戦ったから勝てたんだと思う。先に2セットとられて焦ったし、相手に攻撃が読まれてることが分かった。3セット目からトスが色々なところに上がるようになり、アタッカーが動いてくれたので相手がついてこれなくなった事が勝因だと思う。これから4年生が抜けて新しいチームになるが、『気持ち』が大人になる事が必要。速い攻撃ができるチームにしていきたい」
江森コメント
「2セット目までヤバイと思っていたが、4年生最後の試合だから絶対勝たせてあげたかった。本当にがんばった。この大会を通してメンタルが強くなったと思う。これを活かして仲がよいだけではなくけじめがあるチームにしていきたい。4年生たちには、つらい事があったら青学大の女バレを思い出してがんばってほしい。MIPはとると思っていなかったが、4年生のために真剣にがんばったからだと思う」


