全日本選手権
12月21~23日
於代々木第二体育館


 グレコローマン55㌔級に出場した長谷川恒平氏(07年教育卒・現福一漁業)が青学大出身の選手で初の日本一を獲得した。
 この階級は、長らく豊田(警視庁)と平井(ALSOK綜合警備保障)の2強の時代が続いていた。そこに割って入ったのが長谷川だった。
 1回戦を難なく勝ち上がったが2回戦で平井と対戦。スタンドから相手の一瞬のすきを突きポイントを重ね試合を有利に進め第1ピリオドを取ると、第2ピリオドもラストポイントで取り平井から初勝利を収めた。
 これで勢いに乗り準決勝を突破。最大のカベである豊田と決勝で当たった。「2年前に対戦したときは歯がたたなかった」。そんな相手にも怯むことはなかった。「胸を借りるつもりで思い切ってやろう」。その気持ちが勝利をたぐり寄せた。
 勝負は最終ピリオドまでもつれた。「相手は前(第2ピリオド)からバテていた」。この冷静さが最後30秒にドラマを生む。0-0でグラウンドからのスタート。長谷川は下のポジションから守りきりポイントを獲得。
 ルール上同点だった場合、最後のポイントを取った選手が勝利となる。長谷川は攻撃のポジションから点を取るしかなかった。「しっかり決めれればいける」。腕をしっかり組むと一気にローリングまで持っていった。試合終了の笛が鳴った瞬間、拳を突き上げた。

 この1年で長谷川を取り巻く環境は大きく変わった。卒業後、体育教員免許を取るため日体大に科目履修生として入学。練習場所をレスリングの名門日体大に移した。練習相手には不足はない。長谷川の練習パートナーは、グレコ60㌔級で今年度世界選手権2位の笹本(ALSOK綜合警備保障)だ。「得るものしかなかった」。格上相手にスパーリングを2分15ラウンドをほぼ毎日こなした。練習が無尽蔵のスタミナを生んだ。1日4試合でも集中を切らすことなく動けたのだ。
 しかし、長谷川が1番成長したのは「気持ち」だった。環境の変化により、「自分の力で結果を出すしかない」と常に高い意識を持ち、さらに成長した。


 1年前の全日本選手権で平井に敗れた直後に語った言葉。「目標はロンドンじゃなくて、北京」。これが現実味を帯びてきた。
 しかし、初の全日本王者に輝いても浮かれた様子はない。オリンピックが決まったわけではないからだ。3月に開催されるアジア選手権で、金メダルを取らなければ北京への道は開かれない。だが、一年前の言葉に一歩ずつ近づいている。

メダル獲得者一覧
フリースタイル 
74㌔級 長島正彦(03年経済卒・現おおたスポーツ学教) 銅メダル

グレコローマンスタイル
55㌔級 長谷川恒平(07年教育卒・現福一漁業) 金メダル
120㌔級 河野隆太(経済2年) 銅メダル

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