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◇第63回全日本学生章典障害飛越競技大会◇11月2・3日◇JRA馬事公苑

 関大が全日本学生で団体3連覇、個人で上位4組を独占する偉業を達成した。歴史的スコアに若原総監督も「パーフェクト」と選手と馬の大活躍に賛辞を贈った。
 1日目、連覇という重圧のなかで最初に走行するのは主将の加山・オマージュ組だ。軽やかな走りで第5障害まで減点無しの安定した走りを見せる。第6障害で初めてバーに接触するが、落下は防いで減点0。第7障害の水濠で惜しくも着水してしまい、減点を受けるが、その後も余裕を持ったジャンプを見せた加山。見事、減点4のみで完走する。
 1回目の整備休憩の時点で関大は明大と並んで1位。2組目に走行するのは、萬浪・ローラレット組だ。絶妙なコンビネーションで次々と障害をクリアする萬浪・ローラレット組。見事、今日初めての減点0を記録し、会場は拍手に包まれた。この時点で関大がトップに踊り出る。
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 3組目は唯一3回生の山田・ピトロリーナ組。IMG_4577.JPG
「4回生の方々の力になりたい」と意気込んだ。順調なスタートを切ったものの、徐々にミスマッチが起こった山田・ピトロリーナ組。11A、11B、11Cと続く3連続障害でバーを落下させてしまい、惜しくも減点4に終わる。それでも、総減点わずか4の関大はこの時点で独走態勢に入る。
 1日目最後の走者は小関・バーデンバーデン組。昨年、一昨年と個人優勝を導いている実力のある馬に乗っての走行だ。「自分の失敗があった」と話す小関。しかし、バーデンバーデンに助けられた。ミスをお互いが助け合う走りを見せ、完走。見事、減点0で感極まり涙を流した。1日目が終了した時点で減点0で完走したのはわずか3組。そのうち2組が関大だ。2位で総減点15の日大に初日から大差をつけて1日目を折り返した。

 迎えた2日目。昨夜グラウンドを濡らした雨も上がり、最高のコンディションだ。最初に走るのは加山・オマージュ組。主将らしく、危なげない走りを見せる。しかし、11Bでオマージュの足がすくみ、減点のピンチを招く。それでも上手く持ち直し、ノーミスでフィニッシュした。単独で個人トップに立った加山は笑顔でガッツポーズを決めた。IMG_4565%20-%20%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.JPG
 2組目に走るのは山田・ピトロリーナ組だ。「加山さんが減点0だったので思い切って前向きにいけた」と山田。完璧な走りで減点0を叩き出す。今日2人連続で減点0を出した関大は優勝へ王手をかけた。
 そして、優勝の懸かる3組目は萬浪・ローラレット組。昨日に引き続き、ミスのない走りを見せる。昨年着水してしまった水濠でも華麗にジャンプを決めた。その後も11Aのみの落下に抑えた萬浪。この結果により、関大は早くも3年連続8回目の優勝を決めた。個人に関しては「タイトルを狙っていたので悔しい」と笑顔は無かったが、団体優勝を選手らと共に喜んだ。
 そして、4人目としてプログラムの最後に走るのは昨日減点0で完走した小関・バーデンバーデン組だ。
 個人優勝が懸かっている。ミスなく走り切るために、何度もイメトレを行った。それでも、全日本の大舞台の大一番とあって、小関は緊張した表情を浮かべた。そして、運命のジャンプオフ。危なげのない静かなスタートを切ると、「試合に入ってからは自分との戦いだけだった」と小関。自らの緊張を振り払い、快走。見事、減点0で念願の個人優勝を決めた。試合後に初日同様、歓喜の涙を流した小関は「今までで一番良かった」と相方のバーデンバーデンとの完璧な走りに満足した。IMG_4498.JPG


 2日間、全国の大学に見事な走りを見せつけ、圧倒的スコアで優勝を手にした関大。加山主将は「みんなに支えられた主将だった」と優勝に導いた仲間や監督に感謝した。一方、主将となる山田は「全日本がどれだけ大きい舞台かを下の代にも伝えていきたい」と来季へ意気込んだ。最強軍団の系譜を引き継いでいくために――。人馬一体となり、さらなる進化を続ける。

【競技説明】
1日目に第1走、2日目に第2走を行う。1〜12の障害を完走したときの2日間の総減点の少なさで順位を競う。以下の行為により減点4が科される。

・バーを落下させる
・水濠の水に着水する
・馬が障害を拒否する

また、制限タイムを超えた場合、4秒につき減点1が科される。さらに、拒否が2回あった場合は失格となる。団体競技は各大学4組のうち、上位3組の総減点の少なさで優勝を争う。

▼若原総監督
「パーフェクト。歴史的スコア。今までもダブルスコアなどはあったが、これほど圧倒的な差は初めてではないか。なかなかできることではない。本当に嬉しい。3連覇が懸かっており、勝つために東京に来るということがプレッシャーになったと思う。今日に向けて選手の技量とメンタルのアップに気を使ってきましたから。馬の調整がこれほど上手く行くことはないというほど馬の調子も良かった。言えない苦労もいっぱいあった。馬も生き物などでいつも完璧というのは無理だ。それはスポーツに共通すること。高度なことを求めておく、そして基本を忠実にすること。基本の繰り返しを徹底した。そうすることで一番大事な時に大事な事が出せる。(2日目に唯一バーを落下させた萬浪は)惜しい。最後の直線で攻めではなく、守りに入ってしまった。バーは触れただけで落下しないこともあり、落下するかどうかは非常に絶妙なところ。7年で6回の優勝。3連覇、2位、3連覇。1回負けて次負けるとその次元に落ちてしまい厳しくなるが、2位から再び3連覇できたということは大きい」

▼加山主将
「大変嬉しいです。(1日目は)惜しいところでミスをして減点が付いてしまった。(今日振り返ってみると)それはそれでよかったが、明日頑張らないとという気持ちだった。(1日目は優位だったが)落馬したら終わりだし、何があるか分からないので、あまりそういうことを考えずに、今日よりもいい成績が続けばいいと思っていた。調子がよくて減点0で帰ってきたい、と思っていたので良かった。昨日のいいイメージですると、自然と戦績でてくる。プレッシャーに押しつぶされないようにした。(4年間振り返って)お世話になりました。1年間主将させて貰ったが、引っ張ると言うより、みんなに支えられた主将だった。みんな支えてくれてありがとうございます」

▼萬浪
「昨日、減点0で今日も気合が入っていた。4年間個人優勝と団体優勝を目指していた。自分の手で優勝を逃したので、情けなくて自分に腹が立った。チームで減点4、3連覇は嬉しいが自分では悔いの残る試合。昨日から馬も調子がよくて、減点0を狙っていたので悔しい。(水濠障害は)去年ミスをしていた。頭に入れずに自信を持っていけた。(4年間振り返って)燃え尽きた。3連覇とチームに貢献できたが、個人でのタイトルとれなかったので悔しさが残った」

▼小関
「うれしいの一言。感謝の気持ちでいっぱい。素晴らしい馬に乗せてもらっているので胸がいっぱい。2連覇からチーム一丸となって目標1つに進んだ。今回障害が初めてでみんなに少しでも貢献できるようにした。(結果を残せたことについて)自分のやるべきことを果たすという気持ちが大きかった。結果は必ずついてくると信じてやってきた。1走目は失敗があったが、馬に助けられた。減点0が奇跡。馬の邪魔になっていた。最後は減点0が嬉しくて涙した。上手くいかないことが多くて感極まった。2走目はイメトレを何度も繰り返した。他のいい選手の走りを見たりした。減点0は凄くうれしい。感動した。バーデンバーデンや支えてきてくれた人々のおかげ。イメトレでは完璧だったが不安要素もあった。今日までの試合で良い結果が出ずモチベーションも少し下がっていたので。馬は良いので自分との戦いだった。(団体優勝について)前3人が頑張ってくれた。プレッシャーなくいけた。(個人優勝について)凄く緊張した。ガチガチだった。試合に入ってからは自分との戦いだったので減点0の目標に向かい、冷静にいった。バーデンバーデンに邪魔した部分はあるが、今までで一番良かった。(引退について)大きな試合は最後。小学2年生から馬をやってきてやりきった。自分の実力を出せた。私たちは引退するが、下にバックアップしたい。下級生を支えたい」

▼山田
「一安心。連覇は怖いもので勝つことが義務。追ってくる大学は怖いが、3連覇するという気持ちで勝った。同じチーム同じ馬で3年間やってこられたのは大きい。バーデンバーデン以外は入部当初から。(3連覇に向けて)チーム競技。自分の走行をいかに正確にするか、どれだけ馬とのコンビネーションを取れるか、力を最大限に出せるかというところ。ピトロリーナは今年に入ってから調子が良かった。1走目は詰めの甘さが出た。強い選手はミスをしない。飛んでいるうちにミスマッチが起こりはじめ、最後に少し乱れてしまった。2走目は満足。加山さんが減点0だったので思い切って前向きにいけた。(団体優勝について)勝つってすごくいいことだなと思った。他大学が追ってくるので来年も頑張らないといけない。いまの皆さんと結果を出せたのは本当に良かった。プライベートでも先輩方に良くしていただき、馬とも良い関係を作れた。お世話になった人にも感謝。(個人の結果について)昨日の失敗、ミスは減らしていきたい。結果を残せる選手になりたい。(今後について)もう来年のことを考えている。他の選手が全日本の経験が無く、不安。初の4連覇にリーチがかかっている。全日本がどれだけ大きい舞台かを下の代にも伝えていきたい」

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