◇第81回日本学生氷上競技選手権大会◇1月6~7日◇新井田インドアリンク・南部山アイスアリーナ◇

 「最高のスタートを切った」(鈴木コーチ)。2年ぶりの優勝を果たしたリーグ戦後も、中大、サーパス香川を相手に練習試合をこなし、満を持して臨んだ今大会。1回戦対青学大では、チームの攻撃力を存分に見せた。

 序盤こそ動きが硬かったものの、第1P(ピリオド)8分にはCF金山がゴール前の混戦から先制点を奪う。さらにCF大迫、FW深谷が後に続き、3-0で第1Pを終えた。

 続く第2Pでは、5分に大迫が相手GKのリバウンドを生かし、4-0。12分にパワープレーになると、中盤でパックを受けた深谷が単独で前線へ。確実にシュートを決め、5点目を挙げた。大きくリードし迎えた最終P。9分、相手GKが跳ね返したパックを、FW山本遼が深谷につなぐ。彼自身今試合3点目となる得点を挙げ、6-0。その直後にもFW松本が相手GKとの1対1をきっちり決めた。7-0と大差で青学大を下し、1回戦突破を決める。

 この試合、DFからFWに転向してわずか半年の深谷が、3ゴール1アシストをマーク。FWとしての成長をみせ、ゲームの流れを作る。また、チームの得点力を発揮できただけではなく、無失点で抑えた価値ある勝利だった。「良い勢いをつけられた」と鈴木コーチ。高崎主将は「(明日は)昨年のリベンジを果たすためにも、今日のように失点ゼロで抑えられるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。

 大会2日目に臨んだ関大。2回戦対大東大は、開始早々、点が動いた。左サイドに上がった大迫からのサイドチェンジにFW吉田がぴったり合わせ、先制。しかし5分、9分、12分と関大が反則。キルプレーが続き、勢いに乗り切れないまま第1Pを終える。

 続く第2P。追加点が決まったのは、7分、相手陣内でのフェースオフからだった。相手GKの取りこぼしから、パックはそのままゴールへ。さらに8分、5対3のパワープレーとなると、関大はFWを4人出し、追加点を狙う。すると1分後、FW斎藤修のアシストを受け、ゴール前右から松本が落ち着いたシュートを放つ。パックは鋭くゴールネットに突き刺さり、3-0。直後にパワープレー中の失点をしてしまうものの、関大のペースで攻撃を続ける。そして16分、山本遼がゴール裏からフェイントをかけ、パックをゴール内へ。4-1で最終Pを迎えた。

 第3Pも関大が試合の流れを掴み、前線で果敢に得点を狙う。17分にFW後藤が5点目を挙げ、5-1で試合終了を迎える。快勝で2回戦突破。ベスト8入りを決めた。「(大東大の)荒いプレーにも流されず、自分たちのペースで賢くやってくれた。(5-1だったが)内容的には10-1のゲームだった」(鈴木コーチ)。その日の午後から行われる3回戦へ、大きく弾みをつける。

 3回戦は優勝候補・明大に挑む。昨年も3回戦で対戦。0ー10で大敗を喫し、ベスト4の壁の厚さを痛感した。悲願の4強入りを果たすべく、再び関東の強豪に挑む。

 試合開始早々、明大の速い攻撃ペースにのまれそうになる関大。しかし、第1P1分にパワープレーの機会を得ると、20秒後に試合が動く。FW高崎がゴール前で懸命につないだパックを、松本がシュート。見事に先制点を奪った。その後は、明大が的確なパス回しで関大ゴールに襲いかかる。11分のキルプレー中、ゴール前のパス回しから同点弾を奪われてしまった。しかし直後、自陣から前線に上がった斎藤修のプレーが逆転弾を生む。パックを得た松本がゴール裏でフェイントをかけ、ゴール前にパス。それに合わせた斎藤修のシュートが、見事に決まった。だが、リードは続かず17分に明大のシュートが決まり、2-2で第1Pを終えた。

 第2Pでは、13分のキルプレー中に逆転弾を決められ2-3。さらに、15分にも反則からキルプレーの状況に。ゴール前を固め、明大の攻撃を防ぐものの、ペナルティ解除間際に追加点を献上してしまう。

 2点ビハインドで迎えた最終P。序盤、キルプレーの続いた時間帯を耐え抜くと、8分に相手選手が反則。パワープレーの機会を得て、攻撃を仕掛ける。そして9分にゴール前混戦の中、斎藤修のアシストで高崎がパックをゴールへ押し込み、1点を返上した。その後も攻撃を展開するが、得点にはつながらない。関大は18分にタイムアウト。「なるべく高い位置で(プレー)ということを言った」(鈴木コーチ)。終了間際にはGK高野を下げ、6人攻撃で同点弾を狙う。だが得点を挙げられないまま、試合終了のブザーが鳴り響いた。

 「負けたことは悔しい。けど、昨年と比べて明らかに差は縮まっていたし、先制点・追加点も取れて非常に満足。チーム全体でシステムをしっかりやろうという意識を高く持てたのがよかった」と、高崎主将は充実した表情で試合を振り返った。また、明大の藤井監督も、関大のチームを「練習したことが出ていて、チームとしてまとまっていた。今までの関西(のチーム)とは違うのが分かる」と評した。

 「ここまで1年で成長できた。関東のチームも認めてくれたのでは。選手たちも自信がついたと思う」(鈴木コーチ)。4年生はこの試合を最後に引退。今春には新入生の入部で、また新たなチームとなる。だが「根気強くやっていきたい。来年は頂点を目指す」(鈴木コーチ)。彼らは今大会で得た自信を胸に、今後も大きな成長を見せてくれるに違いない。


【青学大戦】
▼鈴木コーチ「12月中は中大やサーパスとの練習試合をすることで、ゲーム感覚を忘れないようにした。どんな相手にも完封は難しい。価値ある勝利。最高のスタートを切れた。いい勢いをつけれたと思う。(明日は)大東大にしっかり勝って、明大に前向きに挑みたい。うちのシステムは浸透している。5人一体となってコンパクトに60分プレーできれば、希望はある」

▼高崎主将「明日のことを考えず、(試合に)集中してやった。各ピリオドとも(失点)ゼロで抑えれてよかったと思う。(チームに緊張は)少しあったと思うけど、1点取れてからは自分たちのリズムでできた。(自身のプレーは)まだまだ周りをよく見れていない。決めれるところはたくさんあったけど、決められなかった。(リーグ終了からは)新しいことをやるのではなくて、自分たちのシステムを確認して精度をあげていった」

▼深谷(3ゴール1アシスト)「シュート1本1本に集中してリバウンドをとっていけるようにした。インカレ前の練習試合(対中大、サーパス香川)では上のチームに勝つことができて、チームはいい感じに仕上がっていた。インカレ初戦ってことで始めはちょっと固かったけど、1シフトいったら溶けてきた。(4年生は最後の大会なので)明治大に勝って、少しでも長く一緒にホッケーをしたい。習ったことを全部出せるように。明大には、去年よりいい勝負ができると思う」

▼大迫(1ゴール1アシスト)「ニュートラルゾーンでカットされることがあったので、明日はそういう危ない場面をつくらないようにしたい。関東に勝つことが目標。明日の試合が勝負。練習したことを全部出したい」

【明大戦】
▼鈴木コーチ「(ミーティングでは)選手たちは気合が入りすぎてるところがあるので、普段どおり、システムどおりやろうということ、ゴールの点ではリバウンドの処理を大事にということを言った。チームが1つになれていた。誰がでてもシステムが頭に入っている。1年間の練習の成果が出た。4年生はよくリーダーシップを発揮してくれた。みんな声を出していて、(試合に)出ていない選手もいるが、腐ることなく、下級生の模範になってくれた。(新チームでは)根気強くやっていきたい。目標はインカレ優勝。頂点は近づいている」

▼高崎主将(1ゴール1アシスト)「負けたことは悔しい。けど、去年と比べて明らかに差は縮まっていたし、先制点・追加点もとれたし、非常に満足。やっぱりチーム全体で、システムをしっかりやろうという意識を高く持てたのが良かったと思う。しっかり守ることができたから、対等に戦うこともできた。シーズン前から、週4~5で練習してきたことが体力アップにもつながったと思う。明大よりもみんな足は動いていて、体力が落ちることなく3Pまでやれた。ただ、失点は減らしたかった。(試合前のコンディションは)緊張している人はいなかったと思う。大東大戦の方が少し硬かったけど、そこで良い試合できたので自信を持って、最高の形で(明大戦を)迎えれたと思う。(今後に向けて)関西では追われる立場になるけど、プレッシャーを感じず、チャレンジャーとして臨んでもらいたい。ここまで来たら周りからの期待も大きくなるだろうけど、潰されず、"楽しんでホッケーする"ということを忘れないで頑張っていって欲しい」

▼齋藤修(1ゴール1アシスト)「1年間やってきたことを出し切れた。うちはスピードもあったけど、反則が多かった。4失点中、3点はキルプレイでの失点で、今後無駄な反則を少なくすればもっとよくなる。昨年は0―10で敗北した明治大に3―4まで迫れたのは、チームがあきらめないで最後まで一丸となって戦えたから。今年はあと一歩だった。来年はベスト4と言わず優勝を目指してほしい」

▼松本(1ゴール1アシスト)「勝ちたかった。4回生最後の大会なのでもうちょっと一緒にプレーしたかったなと。でも楽しかったです。(課題としては)キルプレイを改善すべき。(収穫としては)昨年10点差あったのが今日は1点差だった。自信になった。来年につながる試合。(新チームでは)とりあえず、ケガ人がいるので、ケガは治して。1年生も入ってくるので、ベスト4には確実に入っていけるチームにしたい。(明大戦では)足はそんなに負けてなかったので、スキルと決定力を強化していきたい」

▼高野「負けたことは悔しい。コーチに教えてもらったことを理解して、チームで戦えたことは良かった。関東との試合に慣れていないという面で、まだまだ経験が足りないと思う。(インカレの)組み合わせが決まった時から1日に2試合やるというのは分かっていたし、良い形で雰囲気よく(明大戦を)迎えれた。(現役最後の試合を終えて)4年間楽しかった。このチームでやれて良かったと本当に思う。(今後のチームに期待することは)関東の強いチームとの試合経験を積んでいって、試合慣れしていって欲しい。しっかり意識して"勝てるチーム"を作れるように頑張ってもらいたい」

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