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◇関西学生秋季リーグ最終節対近大3回戦◇10月15日◇わかさスタジアム京都◇

関大 001 010 010 =3
近大 000 020 000 =2

(関)畑瀬、石田―久米
(近)畠、池田、太田、宝利-山野

 1勝1敗で迎えた対近大3回戦。両チームとも、勝てば勝ち点を4に伸ばし優勝へ大きく前進する。反対に、負ければ優勝の可能性は消滅し、4年生は引退となる。関大ナインは19年ぶりのリーグ制覇に向け「やるしかない」(江原主将)と気合十分に決戦へ臨んだ。

 試合が動いたのは3回表。関大は2死とされた後に、1番・山口の死球、2番・江原の安打で一、三塁に走者を置く。この場面で首位打者の西田尚を迎える。「勝ちを意識して打席に入った」(西田尚)。今季絶好調の3番打者が左前適時打を放ち、先制点を挙げる。
 5回にも2死から西田尚が四球で塁に出ると、4番・藤嶋の左前打を左翼手が後逸。西田尚が一気に本塁を突き、2-0とした。
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 先発の畑瀬は走者を出しながらも要所を締め、4回まで無失点に抑えた。しかし、5回に近大打線が襲い掛かる。1死二塁の場面で、代打・内野に中前適時打を浴び1点差に迫られる。打線は上位に戻り、1番・伊藤にも同点適時打を許す。近大の反撃ムードは高まり、続く2番・小深田の打球は右翼手の頭上を襲う。それでも、右翼手・山口がフェンス際で打球を好捕。固い守備で勝ち越しは許さなかった。
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 同点とされたが、関大はすぐに好機を作る。7番・仲尾、8番・久米の連打で1死一、三塁とし、代打・田中の打球は投手へのゴロ。二塁併殺を狙った近大の一塁送球が逸れる間に、三塁走者が生還し、関大が勝ち越したかと思われた。しかし、一塁走者の守備妨害と判定され、得点は認められなかった。早瀬監督と江原主将が審判団へ抗議するが実らなかった。

 6回からは石田がマウンドに上がった。2死とした後に四球と安打でピンチを迎える。だが、続く打者の中前へ抜けるかと思われた打球に二塁手・江原が飛びついて好捕。落ち着いて二塁封殺とし、この危機を切り抜けた。主将の気迫あふれるプレーが相手に傾きかけた流れを取り戻す。
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 試合は終盤を迎える。8回表、先頭の藤嶋が完璧に捉えた大飛球はわずかに右翼ポール右へ切れた。それでも、次のボールを落ち着いて左前に流して出塁する。5番・青木拓はきっちりと犠打を決め、1死二塁の勝ち越しの好機を演出する。この場面でリーグ戦初スタメンの6番・湟打が打席に向かう。近大の投手は3番手・太田にスイッチ。初球が暴投となり、走者の藤嶋は三塁へ進む。「気持ちで持っていこうと思った」と湟打。高めの直球を思い切り振り抜くと、打球は三塁手の頭を越え左前に落ちる。起用に応える値千金の勝ち越し打にベンチ、スタンドが熱狂した。
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 エースの石田は安定した投球で8回を三者凡退に抑える。迎えた最終回、守備固めに起用された左翼手・手塚のスライディングキャッチもあり、簡単に2死とする。最後の打者を左飛に打ち取り試合終了。関大が息詰まる熱戦を制し、優勝へ望みをつないだ。
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 試合後、早瀬監督は「選手たちはたくましくなった」とナインの成長をたたえた。「勝った瞬間は死ぬほどうれしかった」と話した江原をはじめ、リーグ最終戦を勝利で飾った選手たちには笑顔が絶えなかった。【吉見元太】

▼早瀬監督
「選手たちはたくましくなった。諦めない姿勢、9番の打者まで戦うんだという姿勢は春と全く違うと感じる。学生はこれから社会人になっていく。諦めないことの大切さは伝えたいところ。(投手陣について)畑瀬と石田は春から頑張ってくれていて、春以上できるかと思っていたが中心となってやってくれた。これからまだまだ良くなる。畑瀬は腕が良く振れていたので今日の先発にした。フィールディングやけん制がうまく、総合力が高い石田も競った場面で生きると考えていた。(守備、走塁について)就任したときはレベルが低かった。そこが大事だと思ってやってきた。後半は締まった試合を見せてくれた。(打撃について)湟打は春キャンプから使いたい選手の一人だった。西田尚とともにこれから良くなっていく選手。山口は三振が多いが、勢いがある。江原はいろいろなことができ、打撃もかなり向上した。チームを引っ張ってくれた。西田は選球眼が良く四球も選べる。そこで藤嶋が打ってくれた。下位打線ももう少し絡んでくれたら。(監督自身について)食生活が大分変わった。昨年までは会社員でふしだらな食生活だったが今は健全。じっとしているのが嫌で打撃投手もするし、選手とキャッチボールもする。つらいことは何もない。息子と同年代の選手とやっていて楽しい。母校でここまで来れたのはじんとくる。こういうことを味わうために就任した。選手の喜ぶ姿が一番」

▼江原主将
「勝った瞬間は死ぬほどうれしかった。ベンチ、スタンドも大喜びしてくれて、みんなとやってきて良かったと思った。チームの粘り強さはスタンドの応援のおかげ。みんなが熱くなって、勝つんだという気持ちを前面に出してくれた。(抗議の場面は)やりすぎたなと思うが、あのままずるずるいきそうだったので簡単に引き下がりたくなかった。守備に就くまでに気持ちを落ち着けた。(チームの成長を感じるのは)自分が言わなくても自主的に3、4年生が動いてくれるようになったこと。自分が怒る声より、周りが良いプレーを褒める声が大きくなったことが一番。早瀬監督に代わってから実戦的な練習が増えたが、試合になっても慌てることはなかった。選手一人一人が優勝するために何をするか、どうしたいかと考えて取り組むようになった。守備でも特に外野の送球がうまくなった。内野は送球に関してはまだまだだが、球際の粘りが出せた。どの試合もエラーをしたほうが負けていたので、今日はそこが大きかった。監督は熱い人。気持ちを内に秘めている。打撃投手をするときも『気持ちよく打てよ』という感じで投げてくれる。逆方向に強い打球を打つということをずっと意識してきて、秋はそれを出せた。1年間、キャプテンをしてきて悩むこともあったが、何にもかえられない経験になった。良い仲間に巡り合えて感謝している」

▼畑瀬
「悔しい思いもあったけど、最後に勝てて良かった。みんなで最高の形で終われた。先制してもらったのに、自分が振り出しに戻してしまった。失点した回だけ単調になってしまい、申し訳なかった。でも、みんなが声を掛けてくれて、江原や監督も声を掛けてくれていたので、降板後は自分もつぶれてもいいから全力で応援した。今年から監督が代わって、選手たちの意識が監督によく伝わっていた。監督は投手出身なので、アドバイスをたくさんいただいた。力で押して、流れを持ってくることが自分の持ち味だと言ってもらい、自分もそれを目指してやってきた。以前はフォークを決め球としていたが、真っすぐを磨けと言われた。体が開く癖も直すようにした。監督がいなかったら変われてなかったかもしれない。この1年はとても充実していた。試合後の涙は、みんながこの試合を取ってくれたから。試合に出られなかったメンバーの分まで、最終戦に勝ててうれしかった。この時期に緊張感のある試合ができることがありがたいし、自分がこの状況で投げられるのもありがたい。ここで先発させてもらって良い経験だった。経験しないと分からないことがあると思った」

▼石田
「なんとか打たせて取って0で抑えられて良かった。淡々と抑えられた。畑瀬さんからうまくつなげて良かった。この秋はゲームを作れてもぱっとしない、すっきりしない試合が多かった。来年はもっと圧倒的なピッチングができるようになりたい。今日、勝ち点4を取ることを目標にやってきたので達成できて良かった」

▼藤嶋
「打率と安打には納得していないが、悪い状態で打点を稼げたのは良かった。関大でずっと試合に出してもらい、打点にはこだわっていた。当てに行くバッティングをしていたが、良い意味で切り替えて振り切った結果。(今日の試合について)大ファウルは変化球を狙っていた。やっと来て打って感触が良く、ホームランと思った。その後で冷静にヒットを打てたのは良かった。(関西地区代表決定戦について)同立戦次第。行くと信じて待つ。今、チームは良い状態で入れる」

▼青木拓
「今秋はチームが1試合1試合強くなっていった。4年生中心にまとまり勝てて良かった。打てない中でも監督に起用してもらい、守備で少しでも力になれたらと考えていた。4年間は早かった。昨年、一昨年と悔しい思いをしてきた。笑って終われて良かった。みんなと出来てよかった」

▼山口
「(試合を終えて)最後のリーグ戦が終わっちゃったなという感じ。勝てて良かった。(今季はスタメン落ちも経験して)試合に出るまでのチーム内の競争に負けたことは真摯に受け止めて、でもどこかでチャンスが来ると思っていた。そこでやるべきことをちゃんとやれた。いつも全力疾走・全力プレーを心がけているし、それしかできない。逆にそれは誰でもできるけど一番難しい。自分が走る姿でそれを表した。最終回、守っているときに小学校1年生から始めた16年間の野球人生が思い浮かんだが、1番強く心に残ったのが今日のこの試合だった」

▼金坂
「使ってくれた監督に感謝。大学での初打席は打てる気しかしなかった。ベンチが背中を押してくれた。自分の4年間やってきたことを信じた。残って練習してきて良かった。また代打のチャンスがあれば、『金坂に任せて良かった』と言ってもらえる選手になりたい」

▼西田尚
「今季はまあまあ打てたかなと思う。春に打てなかったので、なんとかチームに貢献したかった。今日は勝つしかなかったので、勝ちを意識して打席に入った。それが先制打につながったと思う」

▼湟打
「藤嶋さんが気持ちのこもったスイングをされて、青木さんが気持ちのこもったバントをされたので、自分も気持ちで持っていこうと思った。気持ちで負けたらだめなので迷わず腹を据えてしっかり振り抜いた。打席に入る前にベンチとスタンドから大きな声が聞こえた。その期待に応えられて良かった。スタメンはリーグ戦で初めて。始まる前から緊張した。仲間がやりやすい環境を作ってくれた。永岡からは『僕の分も打って』と頼まれた。今日はみんなでつかんだ勝利」

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