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今回は、今年から関学ファイターズの初の学生専属コーチになられた大村コーチにお話をうかがい、ファイターズの現状やコーチングに必要なことなどをお聞きしました。



―アメフトはいつから始められたのですか?
中学部のときからやっていて、高校1年の冬に一度やめたのですが大学に入ってまたやろうと思い、始めました。当時の大学の練習を見て、自分の限界を超えるような経験をしたことがなかったので、そこに踏み込んでみたいと思って入部を決意しました。

―大学時代の経験ポジションはどこですか?
1、2年生はOL(オフェンスライン)、3年生はディフェンスエンド、最後はTE(タイトエンド)をしていました。ディフェンスの方がおもしろかったですね。

―社会人になられてからはプレーヤーを続けられたのですか?
当時は少なかったのですが、学生の時に5年生コーチをやってそこからコーチのおもしろさを知って、社会人になってからも3年間、ファイターズのコーチをしていました。4年目になって社会人チームからコーチの依頼があって、それを引き受けました。

―社会人コーチは何年間されたのですか?
全部で9年半です。最初5年やって、1年半ハワイに勉強をしに行って、その後はオービックシーガルズという社会人チームでしていました。

―社会人コーチを経て関学の学生コーチをやろうと思われたきっかけは何ですか?
元々したかったので、チャンスがあれば戻ろうと思っていました。5年生コーチをしていた時に立命大に最後に負けたことが悔しかったので、社会人やめてコーチになろうと真剣に悩んだこともあった。でも、社会勉強は今しかできないと言われ社会人になって、それからもコーチはやりたくて今回やらないかと言われて、戻ってきました。

―他大学の学生コーチをするということは考えたことはありますか?
ありますね。他のチームが強くなればおもしろいと思ったし、例えば関東の有名私立が強くなったら、関東でも盛り上がるだろうなということは考えたことはありました。でも、関学でやりたい気持ちはあったし、声をかけていただいたのでここでやろうと思いました。

―社会人コーチと学生コーチとの違いはありますか?
社会人はスポンサーがついていて、結果を出すことにとても重点を置いています。ゲームを作る形作りが必要で、内容よりもいかに効率よく勝ちにもっていくかということですね。あるレベルまで達している人が集まっているので、基本的なことはある期間でやめて試合で見せるプレーに時間を割くのが社会人チームの特徴です。一方の学生に対しては、どうやって学生が自分の意思でうまくなろう、自分たちのものにしようと強く思わせるか。そういうふうに形作るのが学生コーチなのではないかと思います。コーチとして、選手にやらせるのは大事だけど自分たちの気持ちでやらせるために、やる気を起こさせるのが一番難しいです。現状では「やれ」と言ったことはみんなやるけど、まだ「やったんねん!」とは思っていないのが分かります。

―関学のコーチに戻ってこられて、ファイターズの印象はどうですか?
当初、「これはあかん」と思いました。自分が学生時代にやっていた、ふえがなるまでやりきるとか絶対誰でもできるような基本的なことができていませんでした。あと目的としていることがぼやけていました。それぞれのポジションにはこだわりがあると思います。例えばWR(ワイドレシーバー)の場合、ボールを絶対落とさないとかOLの場合だったら当たりに負けないとか。そういう意識が極めて薄くなっていて、まだまだあかんと思いました。技術よりもその前の段階の底上げが劇的に上がれば、変われると思います。

―関学ファイターズというチームはどんなチームですか?
昔から4年生のチームと言われています。アメリカのチームのようにコーチ主導ではなく、学生が自分たちでチームを作っていくのがファイターズです。その点は社会にも通用するし、評価されていると思います。関学というチームは負けてはいけないというのは伝統。そういう伝統を死守していかなければいけないし、コーチとしては4年生が気づいていないことはコーチがやるしかないと思っています。だけど全てをコーチがするのではなく、色々なアプローチをしています。

―今、チームが強化しなければいけないことは?
最も基本的なところ。速く動く、ちゃんと走るというような。ブロック、タックルがちゃんとできるチームは強いと私は思っています。もう一つは変化ですね。基本的なところが上がってくると、応用の技を身につけ変化していかなければいけない。ダーウィンが言っているように、「最後に生き残るのは、強いものでもなく、賢いものでもない、変化できるものだ」と。変化しなければいけない。今のファイターズはまじめで賢いけれど、変化できていない。

―春シーズンを振り返っていかがですか?
個々の力量は徐々に上がっているけど、結果に繋がっていなくてプレーの精度が低い。いろいろ実験したところもあるので、それに関しては悲観はしていないけど。絶対通る、止まるサインがあってもできない理由は、まず自信がないことにあると思う。各ユニットでも個人として思いきってできていない。初めからは力を出し切れず、相手を理解できたら力が発揮できるといった典型的なパターン。それはなぜかというと二つあって、まず普段の練習を試合と思ってやっていないこと。もう一つは、自分自身に絶対的な自信がなくて、まだ不安があること。それは、ちゃんと準備ができていない証拠だし、時間をかけていないから自信が生まれない。そこに問題がある。自信があれば、プレーが通り、止まるはず。そのためには量をこなすことも必要。秋の初戦には、こんだけやったから負けない!と言えるくらいにならなければいけない。

―勝つために不可欠なものは何だと思われますか?
個人個人が自分の壁をどれだけ破れるか?どれだけ壁にチャレンジできるか?ということ。その壁を乗り越えていかないと自分の力は出ないと思う。そのうえに戦術、戦略が加わっていく。

―大村コーチにとってアメフトとは?
アメフト単体として考えると、最高の趣味、最高のスポーツ。関学のアメフトがなかったら今の自分はいないし、ここにいなければろくでもなかったと思う。とても感謝しているし、今はその恩返しをしたいと思っている。

―最後に、大村コーチにとってコーチングとは?
「成長」。選手が成長する姿を見るということと、その成長するのを助けるために、自分自身も成長しなければいけない。


■大村和輝(おおむら・かずき)。学生専属コーチ(オフェンス)。1994年卒、38才。学生時代は多くのポジションを経験しており、万能なプレーヤーであった。




(企画:アメリカンフットボール部&編集部 取材・制作:松元千明/岡崎心/下山花織)