1月3日に行われた第61回アメリカンフットボール・日本選手権「ライスボウル」。学生王者・関西学院大学ファイターズと社会人王者・松下電工インパルスが東京ドームで激戦を繰り広げた。関学は、一時は7点差にまで松下を追い詰めるも、そのまま追いつく事は叶わず38‐52で敗れ、日本一にわずかに手が届かなかった。

 ゲームは松下QB高田からWR長谷川へのTDパスから動き出す。関学は最初のシリーズからフォースギャンブルを敢行。しかし松下の圧倒的なDEFに阻まれターンオーバーに。松下はランプレーを中心に進撃し2本目のTDを決める。2Qに入り関学もK大西(経4)の32ヤードFGで3‐14とするものの、直後の松下の攻撃で49ヤードのFG、さらにTDも決められ大量リードを許してしまう。前半残りわずか、とにかくTDを取って試合を折り返したい関学だったが、QB三原(商4)の投げたボールを松下DB増谷がインターセプト。そのままリターンTDでスコアを3‐31とされ前半を終了する。

 28点差という絶望的状況でハーフタイムを迎えた関学。だが、その闘志は消えてはいなかった。後半最初の攻撃から関学の猛追が始まる。ランプレー中心に攻撃を展開した前半とは一変、パスを中心としたプレーで繋ぎ、RB稲毛(経3)がTD。松下もすぐさまTDし突き放すも、関学は自陣37ヤードからのロングパスをWR秋山(文4)がキャッチ、63ヤードを切り裂く走りでスコアを16‐38に戻す。追い上げムードにDEF陣も応え、DL國方(法4)がQBサック。これまで全てのシリーズで得点してきた松下OFFをようやく抑え込む。このチャンスをWR榊原(経4)がものにし、松下との差はあと14点。さらに次の松下の攻撃ではDB畑中(商3)が松下QB高田を退場に追い込む値千金のタックルを決める。

 大きく流れをつかんだまま試合は第4Qへ。関学は敵エンドゾーンまで3ヤードと迫る。是が非でもTDに繋げたい場面だったが、松下の主将・山中がQB三原へサック。死角からの強烈な一撃に三原はボールをファンブルしてしまう。松下がこれを保持し、まさかの攻守交替となった。だが高田を欠く松下OFFを関学DEFは抑え続け、関学がWR岸(商4)へのTDパスでついに7点差にまで追いついた。松下はこのピンチに負傷しているQB高田を戦列に戻し、TD。次の関学シリーズ、ここでもQB三原のパスはインターセプトされ、そのままTDされてしまう。21点差をつけられ、関学応援席からは落胆のため息が漏れる。だがQB三原のプレーは崩れず、WR秋山への連続パスで進撃し、最後はTE水原(商4)のTDパスへと繋げる。スコアは37‐52、残り時間は58秒だった。
 
 まだあきらめない関学。K大西がオンサイドキックを左方向へ蹴る。大きくバウンドしたボールは長身WR秋山ががっちりキャッチし、攻撃権を保持する。ベンチが再び沸き立つ。すさまじい執念を見せつけた関学だったが、松下DB小路にパスをインターセプトされ万事休す。ニーダウンして勝利を確定させるインパルスの姿を目に焼き付け、ファイターズの挑戦は終わった。

「やってきたことが出せてよかった」主将・岡田(商4)はこうコメントした。事実、ノーハドルオフェンスは松下DEFを翻弄し、体力を奪い続けた。また、DLがセットせず、LBのような姿勢から襲いかかる独特のフォーメーションは松下の意表を突いた。ライスボウル用に準備した作戦だけでなく、今年のチームカラーである、ショットガンオフェンスも機能し、QB三原は最後まで冷静なプレーでチームをけん引した。ファイターズの誰もが完全燃焼、いい意味で万策尽きた、といったすがすがしい表情を見せた。再びここに戻ってくる—。そう誓い、彼らは東京ドームを去った。


試合後のコメント
鳥内監督「三原のインターセプトはしゃあない。QBは無難にやってもあかんし、リスクを背負って投げるもの。松下DEF相手にあれだけの点はなかなかとれるもんちゃう。三原のおかげでここまでやれた」
主将・岡田「30日に膝を脱臼して、今日も1プレーごとに膝が抜ける感じだった。いい試合ができたと思う。後輩には、やっぱり勝ってほしい、それだけです」
QB三原「松下のDLは予想以上に速かった。前半やってみて、いい歯車が回り始めて、十分やれると感じた。自分がやってきたこと、ベストは出せたが、悔しい」
WR秋山「勝ちたかった。勝って終わりたかった。でも、今は終わったことにほっとしている」
WR萬代晃(経4)「勝てたかもしれないと思うと。悔しいですね、それだけです」
RB平田(商2)「自分としては悔いの残る試合でした。しかし、先輩たちにはすごく感謝しています」

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