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196号1面より(2007/06/18発行)
  最近、「自分探し」 という言葉をよく耳 にする。「自分探し の旅」と銘打って海 外へ長旅をしたり、 ある日突然ボランテ ィアに目覚める若者 が増えているそうだ。 また、自己啓発セミ ナーや、各種のセラ ピーもブームを呼ん でいる。現代人は何か物足りなさを抱え、本当の自分や新しい自分を探し求めているのだ▼「やりたいことが見つからない」。そう嘆くフリーターやニート。厚労省の調査では、日本のフリーター人口は約200万人にまで上っている。以前のフリーターといえば、歌手や俳優といった夢を持ちながら、アルバイト生活を送る若者という印象だった。しかし今では自由人、暇人、定職に就く気がないなどと、否定的にとらえられてしまう。もちろん、すべての者がそういうわけではない。しかし夢や目標もなく、ただやみくもに生活を送る人間が多いのも現実だ▼私の周りにも、フリーターと呼ばれる人々はいる。彼らはみんな一様に「自分の本当にやりたいことを見つけたい」と言う。それは結構なことだ。しかし、結局は何かに挑戦しようとする姿も見られず、二の足を踏んでいる場合が多い。そしてある日突然「自分探しをしてくる」と海外に旅立ち、なぜかブランド品片手に帰ってくるのだ。そうしてまた、以前と同じセリフを吐く。「自分のやりたいことって何だろう…」▼私は、新しい自分とは、何かを継続する中で見いだせるものだと思う。何事でも継続するには、苦境や困難がつきものだ。しかしそんな状況を乗り越えてこそ「こんな自分もいたんだ」と気付くことができる。もちろん、いつも決まっていい自分に出会えるわけではない。楽な道を選んだりあきらめてしまったりする、そんな弱い自分に出会うことだってあるだろう。しかし良くも悪くも、それが本当の自分なのだ。そこで初めて、ありのままの自分と向き合うことができる▼「自分探し」が無駄なことだとは思わない。新しいことに挑戦したり、旅に出て自分と向き合う時間も大切だろう。でも考えてみれば、人生そのものが自分探しの旅なのだ。だから私は、焦らずひとつのことを続ける中で、本当の自分に出会いたい。(堀 菜々)