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200号1面より(2008/4/2発行)
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いまを駆ける。


  この関学スポーツに出会って3年目。と同時に、新聞づくりに直接関わる最後の年を迎えた。そのことを実感する毎日である▼サイレンススズカをご存知だろうか。競馬ファンはもちろん、そうでない方も聞いたことがあるかもしれない。もう十年も前になるか。私が競馬に興味を持ち始めたころ、彼の名は競馬界で轟いていた。天性の豪脚を備えた彼は、圧倒的な走りを見せる。レースが始まった瞬間から他の馬を置き去り、先頭へ。それから終始、速度を緩めることなく1着でゴールする。次元の違う走りに私は心躍った▼大学生になり、私が足を踏み入れたスポーツ新聞という世界。生まれてこのかた、スポーツに対し〝見る〟立場から接してきた私にとって、まさに運命の出会いだった。試合に駆け付け取材する。「関学スポーツ」という紙面を作り上げる。これらの活動はもはや生きがいとなった。時に私は思う。スポーツ新聞がこれほど自分にハマっていようとは、と。楽しくて仕方がないこの世界に全てを注ぐ—そう決心した▼「純血競走馬」。サラブレッドはこう記される。競走馬は生まれながらにして地を駆ける運命にある。サイレンススズカはまさにそうだった。思いのままに運命の場所を駆け抜けた▼彼は己の脚が悲鳴を上げるまで走ることをやめなかった。絶頂期で迎えたレース。いつも通り全速力に乗った彼の脚は突如、その速度ゆえに砕けた。前脚骨折—競走馬が走れなくなることの意味するものは一つ。全力疾走の最中、彼の人生は幕を閉じた。この悲劇に日本中が涙する。とりわけ最近、話題になったわけではない。ふと私の脳裏によみがえった▼今、私は全身全霊を部活動にささげている。休日は取材で埋め、それ以外は担当であるHPの仕事に没頭する日々が続く。一方で、気付けば強烈な疲労感に見舞われる。けれども私は全力を出してしまう。やりがいに満ちた時間もあと1年しかないから。だからこそ、この瞬間を駆けていたい。「走るために生を授かった」彼の姿が、そうさせる▼生涯を閉じたそのとき、彼は人間でいう20歳。同じ年の私が臨む現役最後の一年がいま始まる—。(坂口功将)