190号1面より(2006/4/3発行)
「もうだめだ!と思ったときのひとふんばりが勝負を決する」。高校時、部活の監督に言われ、一番印象に残っている言葉だ。厳しい練習にくじけてしまったときにこれを思い出すと、続けようと前向きに考えることができた。ただ、その時は厳しい練習に耐えることだけに必死でこの言葉の本当の意味を理解してはいなかった▼最近ある一人のバスケットボール選手を見ていると、高校時代の部活を思い出した。その選手とはアメリカで挑戦を続けている田臥勇太だ。身長が高く、身体能力も優れている選手が多い中で小柄な日本人がNBAに挑戦することは、多くの人が不可能だと思ったのではないだろうか。しかし田臥はどんな厳しい状況に置かれても、NBAの夢を決してあきらめることはなかった。実力を認められずに苦悩する時期もあったが、自分自身の可能背を信じ続けた。その結果、日本人初のNBAプレーヤーになったのだ。その後二度の解雇を経験するも、再び昇格を目指し努力を続けている。常に挑戦する田臥に刺激を受ける人も多いはずだ▼誰でも最初は努力するものだ。だが一度失敗すると、そこで「もうだめだ…」と自分自身で限界を決め、あきらめてしまったことはないだろうか?成功する人としない人の違いは紙一重だと思う。ただ決定的な違いは、うまくいかなかった時に「都合のよい体裁をつけて自分を慰め、あきらめてしまう」のか、「強い意思を持って努力を続ける」のか、の違いなのである。どれだけ自分に負けず、粘れるかによって成功に近づくのだ▼こう思えるようになったのも、高校時にあきらめずに続けられた経験があるから。もしこの経験がなかったら「あきらめずに続けること」の大切さはわからないままだったと思う。様々な経験を重ねていくうちに監督の言葉が自分にとって大きなものだと気付いた。今ではこの経験が糧となり失敗を乗り越えようとする大きな力になっているのだ。これから先、挫折しそうになることは今まで以上にたくさんあるだろう。しかしそんなときこそあの言葉を思いだし、あきらめずに努力していきたい。(大森恭子)