第5回目は、副将を務める石田康秀さんを取り上げます。
石田康秀
優れた身体能力と、リーダー気質の持ち主、それが石田康秀だ。アメフトに適した、恵まれた体格に俊足を兼ね備えているため、ランニングバック以外のポジション経験も多い。その器用さを買われ、U-19の日本代表の主将に選ばれたこともある。
そんな彼だが、意外にも部活に入ったのは高校の時が初めてだという。高校入学時に体格の良さを買われ、先輩からアメフト部へ勧誘されたことが始まりだ。小・中学校の時は、学童保育や公園で友達と遊ぶ、ごく一般的な子供時代を送っていた。「元気に遊びまわって、毎日牛乳を飲んでいたら、いつの間にかこんな体格になっていた」と話す石田。彼だけが持ち合わせるパワーの源はこんな天真爛漫なところにあるのかもしれない。持ち合わせた運動能力を開花させ、彼はどんどんアメフトにのめり込み、高校最後には主将を務めるまでになった。
そして、大学進学を果たし、ファイターズへ入部した。1年生の時から試合に出て、主将を務めたU−19では銅メダルとアメリカ、カナダに肩を並べて戦っている。こんな順風満帆な人生に、初めての挫折が訪れる。2年生の春の同志社戦最中に、膝のじん帯損傷。スターティングメンバーに選ばれた矢先の出来事だった。初めての大きなけがだったが、負けることなく持ち前の明るさで、今の自分に出来ることを積み重ねていった。そして1年後には、フィールドに戻ってきた。迎えた秋シーズン、初戦でまたしても同じ災難が石田に降りかかった。2度目のじん帯損傷だ。「シーズン中だったので、けがをしていても、チームにどれだけ関われるかばかり考えていたし、へこたれていても仕方ない」。2度の大きなけがを味わった彼だが、逆境から逃げることなく、立ち向かってきた。それができたのもファイターズ好きだからだと語る。
4年目を迎え、副将になった石田は、「合宿を終えた今、まだまだチームに不安は残るが、怖がっているからこそ強いチームになれる。相手がどこであれ、勝てると思って臨むより、勝てるかどうか分らないほうが、いい試合になるし、勝てた時にうれしい」。この言葉からも分るように、石田は恐れさえも味方に付けている。これは逆境から這い上がった男だからこそ言える言葉なのだろう。こんな石田の秋リーグからの完全復活となるプレーが見ものとなるだろう。
■石田康秀(いしだ・やすひで)。商学部4回生。東邦高校出身。RB(ランニングバック)。171㌢。88㌔。
(企画:アメリカンフットボール部&編集部 取材・制作:宮本悠乃/佐藤潤優/松元千明)