今回は、アナライシススタッフの美尾野俊將さん、中井英之さん、小寺悠太さんを取り上げます。
美尾野俊將、中井英之、小寺悠太
日本一を目指しているチームだからこそ、こんな組織が生まれる―。ファイターズの頭脳といっても過言ではない、関学のアナライシススタッフ。対戦相手のプレーを分析し、ゲームプランを作るスタッフだ。分析を専門とするスタッフが確立されているのは、他校と比較してもめずらしい。ファイターズでは現在16人で構成されている。根気、我慢強さが要求されるスタッフだ。だが、プレーヤーと直接関わることができ、勝利に貢献できることはこの分析スタッフならではのよさである。分析スタッフは2つのグループに分かれており、相手のOFFの分析をし、DEFの選手に教えるDEF付きのAS。もう1つは、相手のDEFを研究し、OFFのゲームプランをコーチと共に考えるOFF付きのASである。彼らは主にビデオを見て資料を作成し、パソコンでデータを作るという仕事をしている。プレーヤーが次戦の準備をしている時、分析スタッフはもう一つ先の対戦相手の研究をし、先々を見越して取り組んでいかなければいけない。戦術が固まらなければ、チームは動くことができないのだ。また、試合前の準備はもちろん、試合中には瞬時にゲームプランを変更できるように試合前の準備とはまったく異なる仕事もこなしている。分析スタッフはチームの勝利にはなくてはならない、影の立役者とも言えるだろう。
DEF付きの美尾野は、シーズンに入ると主に相手チームの役割を果たすスカウトチームの指導にあたっている。彼らはひとえに分析を行うだけでなく、プレーヤーに直接自分のプレーで教えることも仕事としているのだ。また、試合中には実況分析を行い、プレーをコーチと選手でアジャストさせるための資料を作成している。今年のチームの目標として“社会人に勝って日本一”を掲げているファイターズ。彼は「去年の反省を生かしながら、見やすい資料を作る。今年はどこにも負けないAS、社会人にも負けないASを!」と意気込んでいる。プレーヤーを経験していたからこそ気付くこともある。反対にプレーヤーの時には気付けなかったことをスタッフになって初めて気付いたという美尾野。「スタッフがいなければチームは動かない」。スタッフとしてこのチームに携わることになって、スタッフのありがたさに気付けたと彼は語った。

プレーに直接関われるのは、スタッフの中でもASだけ。「試合でプレーを動かすことができるのが魅力」と語ったOFF付きの中井。彼は試合中にはグラウンドで選手交代を指揮するという重要な役割を果たしている。4年生の彼は、「日本一になります!最後の年なのでそれだけを目指してやります」とこれからの決意を語った。決まった仕事以外にプラスアルファで何を残せるか。彼のチームへの思いはきっと選手にも伝わっているはずだ。高校のときから大学の専門的なスタッフに興味があった小寺は、「相手DEFの分析をすることが得意」と語る。高校生時のOFF経験があるからこそDEFが嫌がるプレーが分かるという。プレーヤーにプレーの意図をより分かってもらえるように、普段のコミュニケーションを大事にしている彼。4年生のミーティングにもプレーヤーの代役として率先して参加している。大勢の選手の意識、意図の統一のために、まさに4年生と下級生のパイプ役となっているのだ。
一人ひとり分析スタッフとしての仕事をこなしつつ、自分にしかできないプラスアルファの役割を個々がしっかりこなしている。チームの勝利のため、彼らは働き続ける。
■美尾野俊將(みおの・しゅんすけ)。経済学部4年生。関西大学第一高校出身。AS(アナライシススタッフ)。175㌢、75㌔。
■中井英之(なかい・ひでゆき)。文学部4年生。明石南高校出身。AS(アナライシススタッフ)。183㌢、68㌔。
■小寺悠太(こでら・ゆうた)。社会学部3年生。関西学院高等部出身。AS(アナライシススタッフ)。175㌢、63㌔。
(企画:アメリカンフットボール部&編集部 取材・制作:宮本悠乃/佐藤潤優/松元千明)