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197号3面より(2007/10/1発行) 連載
楕円球を追いしその姿、疾風のごとく

長野.JPG  その足で観客を虜にするラガーマンがいる。華麗なステップで相手を抜き、一気に加速すると、彼を止められる者など誰もいない。目にも止まらぬ速さでインゴールへ走り込み、トライ。見ている者は、まるで彼が風と同化したかのような錯覚を覚えてしまう。

 今年6月、ケニアで開催されたサファリ・セブンズ(7人制ラグビー)。トップリーグで活躍する選手たちで占められる日本代表チームの中に、その男はいた。名は長野直樹。弱冠18歳、最年少での代表選出だった。

 長野の魅力は驚異のスピードを誇るその足。中学時代に打ち込んだ陸上では、100㍍10秒8を記録し、全国中学生ランキングのトップにまで上り詰めた。高校から始めたラグビーでも高い能力を発揮し、快足WTB(ウイング)として活躍。3年生次にはU19に選ばれるまでの選手に大成した。そして今年、ラグビー人生わずか3年半にして、セブンズ日本代表に召集。彼は楕円球を追いながら、自身の活躍の場さえも、驚くべきスピードで駆け上がってきたのだ。
長野プレー.jpg
 今回の代表をきっかけに、長野の名は急速に広まっていった。試合に出れば必ず注目され、数々のメディアにも取り上げられる。嬉しい一方で、プレッシャーは増すばかりだ。しかしそれは、彼が一流選手としての階段を上り始めた証でもある。「ふがいないプレーは絶対にできない。今はこのプレッシャーを自分の力に変えていきたいんです」。

 最後に、自身にとってラグビーとはどんな存在かを尋ねてみた。すると長野は慎重に言葉を選び、こう答えた。「…自分を一番輝かせてくれるもの、かな。ラグビーをやってる時が一番自分らしいと思います」。彼から返ってきたその言葉は、日本が誇るエース・大畑大介がかつて同じ質問を投げかけられた時の答えによく似ていた。                      

◆プロフィル◆
長野直樹(ちょうの・なおき)社会学部1回生。1989年1月9日生。関西学院高校出身。身長174㌢。趣味は読書。