| 関西学生アメリカンフットボール秋季リーグ 第7節 | ||||
| 11月30日(日) @神戸ユニバー記念競技場 | ||||
| 立命館大学 PANTHERS |
17 | 10-0 | 7 | 関西学院大学 FIGHTERS |
| 0-7 | ||||
| 7-0 | ||||
| 0-0 | ||||
因縁の宿敵・関学に勝利!歓喜の輪が試合終了とともに。
◇立命館17-7関学<11月30日、関西学生アメリカンフットボール秋季リーグ、神戸ユニバー記念競技場>
今年も関学ファイターズとの一戦は全勝対決となった。王座復権を目指す立命。原点回帰とも言えるフットボールで関学を圧倒した。コイントスには、アキレス腱再断裂で今季絶望の浅尾主将が出場。医者からの制止を振り切り、決死の姿で仲間に気合を入れる。集まった観衆は二万五千人。関学サポーターがその7割を占めるアウェーの様相を呈していたが、主将のこの勇姿に選手のみならずファンまでもが奮い立った。
試合前の「最初から仕掛ける」(米倉OFFコーチ)との言葉通り、1Qから積極的に攻め込む。QB松田大が冷静にパス、ランと織り交ぜながらのドライブに関学ディフェンスも徐々に後退。敵陣39ヤードまで迫ったところでショットガンのQBにセットしたのは、なんとRBである松森だった。ダイレクトスナップを受けた松森は味方の強力なブロックにも助けられ、そのままエンドゾーンへ。相手の意表を突き先制のTDを奪う。「ド肝が抜くプレーがしたい」。宣言通りのプレーを開始わずか三分で見せ付ける。
関学のファーストシリーズ。出足好調の立命オフェンスに触発されたのか、ディフェンスも的確なタックルで反撃の目を摘み取る。その後の立命ドライブは、またしてもラン重視。ライン戦で有利に立った立命館は着実にヤード更新し、ゴール前まで迫る。相手のロスタックルもあり、4thダウンでFGの可能性にかけた。41ヤードの高難度のキックをK砂原が決め、見事スターターの面目躍如を果たす。返しの関学攻撃は秘密兵器・RB松岡に62ヤードを激走され、エンドゾーン間近に。しかし、2Qにしてアジャストを見せていた守備が奮起し、FG失敗まで追い込む。逆に、これをきっかけにQB加納を中心とした関学オフェンス。敵陣8ヤードまで迫り、代わったQB浅海がパスフェイクからインサイドのTDランで3点差まで追い上げる。その後もピンチを迎えるパンサーズ。しかし、31ヤードFGの場面を相手のミスに助けられ、3点リードのまま前半を折り返す。逆に関学は意気消沈。この流れのまま、試合は後半へと突入する。
後半以降も、チームが標榜する「オーバーパワー」を着実に遂行。攻撃時の、QB無しでRBを並べるワイルドキャットフォーメーション、ショットガンからのラン体制も、すべてはこの合言葉の賜物だった。3Q、秘策が功を奏し、松森がビッグゲイン。ゴールまであと少しと迫ったところでTB山本曜が押し込み突き放した。彼の通り道には大きな道。すべてはOLのブロッキングの成果だった。最終ドライブはすべてランのみという策に打って出たオフェンス。大量の時間消費に成功し、守備へと命運を託した。
守備も後半は失点ゼロに抑えた。相手司令塔・加納の身上のスクランブル、ランに対してもLBがきっちりタックル。リズムの建て直しを図ったシャベルパスも超人的な反応でシャットアウトした。相手の万策を尽き果てさせる、緻密な研究と野生的とも言える読み。加えて運も左右した。あわやTDの関学QB加納からWR柴田へのロングパスも失敗。勝利の女神は確実にパンサーズに微笑んでいた。勝負をかけた最後の関学ドライブもDB毛利がインターセプトし、勝利は目前となる。待ちに待った3年振りの戴冠の瞬間。ビクトリーフラワーがフィールド中央で咲いた。感慨にむせび泣く戦士に敵さえも拍手を惜しみなく送った。
試合後は歓喜の胴上げ。手負いの浅尾を含め勝利の功労者が宙に舞う。そんな中でも、古橋HCは「俺は(胴上げは)ええぞ。甲子園ボウルでやってくれ」。あくまでも指揮官は次の大一番へ兜の緒を締めた。
激闘が終焉を迎えた空は夕焼け。その光景は祝福とともに、次なる闘いの始まりを告げているかのようだった。
◆試合後コメント
古橋HC
「今日のゲームはほぼ完璧に近い。選手たちの気持ちがすごかった。今年は弱いチームだったのでリーグ戦もいっぱいいっぱいで戦って来ていた。ハーフタイムでは『去年を思い出せ。去年の悔しさを晴らすために自分たちの力を出し切れ』と言った。松森はやっぱり力を出せばすごい選手。キャプテン浅尾のけがでチームがまとまった。浅尾は仲はいいけどメンタルが弱いチームをいつも支えていたし、キャプテンのためにという一体感が生まれた。勝因は彼のキャプテンシー。全員がいつもキャプテンを日本一にすると思っている。甲子園ボウルは今日のゲームでやれることをやりきってしまったので、もう一度気持ちを切り替えてプレーを練り直す。DFは久司、岸本、毛利、今西とみんなけがを抱えている中よく頑張ってくれた。まだ夢を見ているみたい。去年の年末の紅白戦からこんなチームになるとは思わなかった」
FB浅尾主将
「(胴上げされたけど)夢のよう。プレーできないぶん、みんなを盛り上げようと自分で考えて今までやってきた。(プレーしていないのに、厳しく言わなければならないのは)チームを強くするために、言わなければならない。抵抗はなかった。みんなが理解してくれた。今日の松森の独走はいいプレーで、男やな、と。あいつが引っ張ってくれるのは分かりきっていることだった。甲子園には自分たちの力でやっといける。KGに勝った以上は、関西代表として勝たないといけない。信じてきてよかった、信じる気持ちは裏切らないと思った。」
LB海島祐希
「当初のプラン通りに上手くいった。古傷もあったけど、勝ててよかった。チームが常に勝つことだけを考えていた。」
TB松森
「昨年負けたとき、一番悔しくて今年は絶対負けられないという思いがあって、今日のゲームは今まで1年間やってきたことは間違ってなかったと思えた試合だった。あと、今年は4回生になってチームをひっぱる立場になり、チームのことを最優先で考えるようになりました。この試合では練習してきたことができてよかったと思う。」
TB山本曜
「OLが完勝。ラインのおかげです。この日のためにやってきた。一回生の時よりもはるかにうれしい。浅尾のためにチームが結束しました。」
TB西田
「今年の目標はランユニットで勝つことでランユニットには自信があった。試合が始まる前から、今日は絶対にランがでるわって思いました。今日はいける気しかしなかったです。ゲームでは普段どおりを意識しました。自分のやることをやるだけ。1ヤード進むことだけを考えていました。」
TE森
「浅尾や俺とか松森がオフェンスを支えなきゃいけなかった。浅尾にはなんぼ恩を返しても返しきれない。次は学生一を狙う。その次(ライスボウル)勝って日本一を狙う。」
QB 松田大
「最初は緊張していてパスを投げた時にいつもの俺じゃないと思った。でも今日のパス成功率は低いかもしれないけど、QBの仕事はチームを勝たせること。(関学QBの)加納さんに勝てたことが何よりうれしい。最初のTDでチームが勢いに乗ったが、10点を取ったときにいつもの自分に戻ってKGはこんな甘いものじゃないと気持ちをつないだことが勝因。(ワイルドキャットフォーメーションについて)シーズン初めから用意していた。最初は戸惑ったけどチームのためになるんやったらと思っている。1年間死ぬ気で努力してきたことに自信を持っていたし、今日は全員出せていた。最後のドライブは100点です!このドライブに1年間をぶつけるという気持ちが出たと思う。」
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健闘をたたえあう松田大(右)、加納(左)両QB


