「学内にプールを!」。この声が上がったのは何も最近のことではない。過去にもプール建設の署名運動を行っている。だが学校側はこの要求に応えることはなかった。また、2年前にもプールの建設案が挙がっており、その計画が実現していれば今年にもプールが完成するはずだった。しかしこの話はいつの間にか白紙になっており、水泳部の長年にわたる訴えはいまだ現実のものになることはなく今に至っている。

 今回部員たちが再び建設運動に動き出したのは、2010年にスポーツ健康科学部が建設されるという話が出てきたためだ。この運動を中心に進めている西川さんは「スポーツ科学系の学部ができるのにプールがないのはおかしい」と主張する。また「これがプールを作ってもらえる最後のチャンスかも」と危惧もしている。

 前述のように水泳部は近くのスイミングスクールを借りて練習をしている。借りている以上、時間的制約も発生するので練習は授業前の早朝のみ。しかも前半と後半に分けたシフト制で行っている。プールのコース数も6つと少ないため、全員が十分に泳ぎこむこともできない。これは他大学と比べても特異な環境だ。「練習時間は他の大学の二分の一から四分の一ぐらいになってしまう」と前田主将も訴える。立命館は近年着実に力を伸ばしており男女ともに1部で戦えるまでになった。虎谷コーチも「うちは他大学と比べて苦しい。選手たちは状況をしっかり理解してやってくれているが、今のままだと自分の持つポテンシャルを出し切れずに終わる人も出てきてしまう。プールがあればもっと上へいけるはず」と話す。さらに「いい高校生がいても立命館にプールがないことで離れていってしまう」と懸念も見せた。

 立命館にプールが建設されるなら滋賀県のびわこ・くさつキャンパス(BKC)となるが、実現すれば学生だけでなく地域も大きな恩恵にあずかることができる。滋賀県には屋内の50mプールが存在しない。だがBKCのプールが連盟に認定され試合ができるようになれば、滋賀県の競泳界にとって大きな財産となり地域の更なる発展が期待できる。

 さらに上を目指すために彼らは立ち上がった。水泳部の現状や思いがこれを読んでいただくことで少しでも伝われば幸いである。(取材・文責/岸川祐太)


水泳部が現在練習を行っているプール


練習に励む選手たち

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