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トップでゴールした南雲を抱きしめる吉村
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優勝メンバーの8人と田中監督

<11月22日(土) 丹後大学駅伝 第76回関西学生対校駅伝競走大会 @丹後地方コース(京丹後市~宮津市)>

丹後半島にコースを移して2度目となる関西学生駅伝。昨年は京産大とのデッドヒートの末、0秒差で2位に終わった立命館。今年も関学も交えた3校がゴール直前でスパート合戦を繰り広げられたが、わずかな差で競り合いを制した立命館が5年ぶりの関西一に輝いた。

大事なスタート区間を任されたのは全日本で5区9位と好走した濱野(理3)。レースは大集団で進み、濱野は先頭にしっかりと食らいつく。区間賞争いはラスト勝負に持ち込まれ、大院大の後藤と先頭争いを繰り広げていた濱野は残り150mでスパートをかけようとする。しかし、そのタイミングで脚を痛めて後退。それでも首位の大院大と7秒差の5位と1区としての役割は何とか果たすことができた。

登り坂が続く2区は粘り強さが武器の桝本(済1)が任された。この区間は各校のエースが集結し、桝本は苦戦を強いられる。順位を一つ落としたものの大崩れすることなく、3区の岩﨑(済1)との1回生同士の襷リレーを行った。

3区の岩﨑は1500mを得意とするスピードランナー。下り坂が続くコースに適性への適性を見いだされての起用だった。岩崎はその期待に応え、区間賞の走りで大院大、関大、大経大を交わして3位に浮上。トップとの差も46秒差から11秒差まで詰めることに成功した。

4区は2年連続でこの区間を走ることとなった大谷(営4)。この区間で首位の関学・野中が快走を見せ、独走態勢に入るが、動じることなく2位の京産大の背中を追う。大谷は最後まで3位をキープして5区の吉村主将(営4)に襷を繋いだ。

前半を終えて立命館はトップの関学から1分08秒差の3位。後半にエース格を配置している立命館はここからの追い上げが期待されていた。最長の5区は5000mの持ちタイムが出場選手中最速の吉村。吉村は8秒前でスタートした京産大に1kmで追いつき、先頭の関学を追う。「京産大の中西と一緒に行けば関学に追いつけると思っていた」という吉村だが、勢いに乗る関学がこの区間でも区間賞の快走。さらに4秒差を広げられ、京産大にも2秒差をつけられた。

6区は昨年もこの区間を走っている荒木(理4)。荒木は京産大と併走し前を追うが、先頭をひた走る関学との差を詰めることが出来ない。それでも京産大には食らいつき、7区の片渕(済3)に襷を繋ぐ。

6区を終えて関学とは1分14秒の差があったが、片渕が京産大の寺西と競り合い、関学との差を詰める。最後に京産大に離されてしまったが、第7中継所の通過では59秒差とついに1分を切った。

最終8区を走るのは昨年もこの区間を走って区間賞を獲得している南雲(スポ4)。南雲は18秒あった京産大にまずは追いつくと、ラスト3㎞でついに関学に追いつく。昨年はここで前に出てラスト勝負で敗れた南雲だったが、今年は冷静だった。関学と京産大の後ろに張り付き、相手の様子をうかがう。決着がついたのは残り20m。南雲が一気にギアを変えてスパートをかけると、先頭に立ち、そのままトップでゴール。この瞬間に立命館の5年ぶりの優勝が決まった。

南雲がゴールした瞬間にチームメイトが一斉に南雲の元に駆け寄る。主将の吉村や駅伝主務の松延(済4)は涙を流した。それは昨年まで流した悔し涙ではない。4年目にして初めて流した嬉し涙だった。ここまでの道のりは長かった。3年前は大差で敗れ、一昨年は10秒差で2位、そして昨年は0秒差で2位と悔しい思いをし続けてきた選手たち。そんな彼らがついに栄光を掴むことができた。ついに関西一の座を奪還した立命館だが、彼らの戦いはまだ終わらない。12月7日(日)には京都学生駅伝が行われ、これが4回生にとって最後の駅伝となる。この大会には濱野、片渕、桝本の三人が日体大記録会に出場するために欠場するが、4回生を中心に連覇を目指す。

<総合成績>
1位 立命館 4時間10分04秒
2位 京産大 4時間10分04秒
3位 関学大 4時間10分05秒

<個人成績>
1区(8.0km)濱野秀 23分56秒 区間5位
2区(8.7km)桝本剛史 29分35秒 区間7位
3区(7.0km)岩﨑祐也 20分05秒 区間賞
4区(9.7km)大谷宥喜 30分29秒 区間3位
5区(12.3km)吉村直人 36分34秒 区間2位
6区(12.0km)荒木尚馬 36分51秒 区間3位
7区(11.9km)片渕恵太 36分37秒 区間2位
8区(11.8km)南雲翔太 35分57秒 区間賞
MVP 南雲翔太

<コメント>
●田中監督
「どこの学校よりもうちが勝ちたい気持ちが一番強かったと思う。力的にはものすごく力を持っているチームだが、今の子はメンタル的に弱いものがあって上手く力を出し切れないことが春から目立っていた。全員がこの範囲で行くだろうと想定してそのための練習もしてきているのに一人か二人練習でも集団から落ちてしまったりということが続いていたので不安視はしていた。4区を終わった段階で1分までだったらどうにか行けると思っていた。前半の苦戦は覚悟していた。上手く流れたらもう少し詰められたかもしれないけど1分はギリギリだった。あれよりも離れていたら間違いなく追いつけていなかった。後半は3校ともに力は変わらないから取りこぼしたほうが負け。申し訳ないけど関学さんは最後に取りこぼしたと思う。7区で京産大の伊東先生と車に乗っていて一気に詰まった。あの瞬間に南雲だったらどうにかやってくれるかなとは思った。でも本心はまた京産大さんにやられたかなという気持ちはちょっとあった。今年は直線のゴールで、南雲は去年も直線のゴールだったらな勝てたなと言っていただけに今年は勝てるイメージはあったと思う。去年はカーブで内側を取られて負けていた。あれは中井君の頭脳プレー。最後まで後ろに隠れていたのは去年の教訓が生きていた。先に行ったらやられるから最後まで貯めていた。それはあの子の経験値。京都学生駅伝は4回生の最後の大会なのでしっかりやってくれると思う。(5年ぶりの関西一について)大変だった。ずっと2番だったから。勝つっていうのは難しいんだなって思った。(近年接戦が続いているが)他のエリアを見てもないというかやはり3校の力が抜けているし、意識ができている。3校が力を合わせて関西だけじゃなくて全国に対してもっとやっていかないといけない。岩崎は区間賞は取ると思っていたけどあそこまでいくとは思わなかった。今日の勝因を挙げるなら前半で桝本が苦戦するのは予想していたけど、桝本と岩崎の二人で山をまとめてくれた。(二人を山に起用した意図は)1回生は使わないといけないピース。今後のことを考えるのと力は持っている。その中で岩﨑はスピードランナーだから下りは適正はある。桝本は頑張れる子だから登り適正は高い。区間7位だけどよく頑張ってくれたと思う。周りは全部エースだったからかわいそうだけど。(各校は2区にエースを置いていたが)去年の平井君(京大)がいい走りをして周りが過剰反応した。この駅伝はみなさんが見てお分かりの通り5区から8区がポイントだと思う」

●1区・濱野秀選手
「大学に入って関西一になったのは初めてなので嬉しい。ラスト150mで1番だったけどスパートしようと思ったら力みすぎて脚を痛めてしまった。脚次第だが次は日体大記録会に出る予定」

●2区・桝本剛史選手
「個人的には全日本で仕事ができなくて今回はという気持ちだったが、自分の持ち味の粘りが登りの区間で出せなかったのが悔しい。でもその悔しさ以上に先輩たちと岩﨑が頑張ってくれて優勝できたことが悔しさを忘れるくらいに嬉しい。初めて駅伝で優勝して駅伝の良さとか陸上をやっていて本当に良かったと思った。こういうときがあるから苦しい練習も忘れられる。やっぱり自分は陸上が好き。京都学生駅伝は出ずに日体大記録会に出るが、4回生と岩﨑が頑張ってくれると思うので自分は安心して記録を狙いに行ける」

●3区・岩﨑裕也選手
「いい緊張感で走ることができた。練習ではいい感じで走れていたので区間賞を狙って走った。下りをそんなに走った経験がなかったので適正は分からないが、走ってみてきつかった。ラストスパートが自分の武器だと思っているのでスピードを生かして走ることができてよかった。次の京都学生駅伝で走れるように頑張りたい」

●4区・大谷宥喜選手
「優勝して嬉しい。就職活動等で忙しくてあまり練習ができていなかったが、メンバーに選んでもらって、走らせてもらってみんなのおかげで優勝できたので感謝の気持ちでいっぱい。自分の走りとしては関学、京産に離されずに行ければよかったが、京産との差を最低限に止められたのは良かった。京都学生駅伝では昨年も区間賞を取っているので今年も取れるように頑張りたい」

●5区・吉村直人主将
「ゴール手前では最初は関学と京産大しか見えていなくてやってしまったと思った。ラスト20mで南雲が前に出たときは感極まった。練習の一つ一つからプラスアルファの意識で取り組んだことが優勝につながったと思う。出雲がなくなったり、全日本で負けたりして沈んだ時はあったが、すぐに切り替えることはできたと思う。メンバーに入って勝ちたいという選手が増えてきてチームの中で激戦になってきてきたことが良かったと思う。1回生も十分な活躍だった。激戦の中からメンバーに入ってきただけの価値はあると思った。京都学生駅伝では6人に絞られるのでそこでメンバー争いを繰り広げてまた違った争いになるとは思うが、勝ちに行きたい。駅伝シーズンまではキャプテンとして悩んだりしたが、出雲の前からチームのことが見えるようになってきてまとめられるようになってきた。(自身のレースを振り返って)京産大には1㎞で追いついて、京産大の中西なら関学の辻横に追いついてくれるだろうと油断したところはあった。ラスト300mまでは並走して最後に離されてしまった。5区というのは後半のスタートとしてロケットスタートが切れるようにしたかった。目標タイム通りだったが、それで負けるのは今の自分の感覚のズレがあると感じた」

●6区・荒木尚馬選手
「最初に一気に京産大に追いついて3㎞くらいですでに苦しくなったので休憩して後半で相手がバテてきたところを行こうかなと思っていたけどこっちも全然きついのが治らなくて後半はお互いに千切ろうとしてはバテての繰り返しだった。二人で競り合っていれば関学には追いつけるだろうと思っていたが、区間賞を取れなくて悔しい。とりあえず京産大に離さなければ関学には片渕と南雲で追いつけるというのがあったが、京産大を逃がしてしまうと後半2区間に強い選手が走っているから、とりあえず京産大には離されないようにしようと思っていた。今まで優勝というのを味わったことがなくて南雲がゴールテープを切ってくれた時に初めて嬉し涙が出てこんな気持ちになれるんだなというのを感じたし、2位と1位の違いの大きさを感じた。最初の1年目は大差で負けて、2年目は10秒差、3年目は0秒差で負けていたので最後に勝てて嬉しい。京都学生駅伝は最後の駅伝なので勝って終わりたい」

●7区・片渕恵太選手
「ゴールには間に合わなかったので応援の部員から優勝したのを聞いてビックリした。南雲さんなら追いつくと思っていたが、去年はラストで負けていたので。京産大と競っていて8㎞で出たが、力を使ってラスト1㎞で離されてしまった。次の日体大記録会では10000mで29分半を切りたい」

●8区・南雲翔太選手
「ゴール前では先に関学に抜けられて京産大も続いて自分は遅れたが、焦りはなかった。とりあえず絶対に1番でゴールするという気持ちで走った。去年は前に出てしまったので今年は絶対に前に出ないと決めていた。先頭に立ったのはラスト20m位。先頭に立った瞬間は勝ったという思いだけだった。仲間が見えた瞬間はやっと優勝という思いしかなかった。とりあえず攻めて関学に追いつくことを考えて追いついたらけっこう脚を使っていたので回復することを考えていた。去年はそこで失敗していたので。秒差は聞いていなかったが、前は見えていたのでとりあえず京産大に追いつくことをまずは考えて、天橋立に入って追いついたころには関学も見えていてラスト3㎞で追いついた。ゴールした瞬間に自分の体が前に出ているのは最後に横をみて分かっていた。レース展開はあまり考えていなかったが、最後は自分がやってやるという気持ちだった。京都学生駅伝ではみんなで喜びを分かち合いたい」

[記事、写真:馬場遼]

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