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優勝に沸く、選手たち

◇立命館大 1-0 京都産業大
<11月12日(水)第31回西日本大学軟式野球選手権大会決勝@奈良・佐藤薬品スタジアム>
立命 000 000 100=1
京産 000 000 000=0
立命)○菊谷-今井
京産)●林、石原-稲葉
【立命館大学】
≪打撃成績≫
(4)中田 2打数0安打0打点
(8)楳田 3打数2安打0打点
(9)村井 4打数0安打0打点
(3)南  3打数2安打0打点
(7)兼松 4打数0安打0打点
(2)今井 4打数0安打0打点
(5)吉田 3打数0安打0打点
(1)菊谷 3打数0安打0打点
(6)柳川 2打数1安打1打点
≪投手成績≫ 
菊谷=打者29、打数29、被安打2、三振6、失点0

 軟式野球の西日本王者を決める西日本大学選手権大会決勝が12日に奈良県の佐藤薬品スタジアムで行われ、立命大(関西六大学連盟代表)が京産大(近畿学生連盟第一代表)を1-0で下し、西日本大会優勝を達成した。

◇     ◇     ◇

 エース菊谷を中心にこの大会無失点で勝ち上がってきた立命と、仁愛大や中京学院大という強豪を次々と撃破し決勝まで上り詰めた京産の「京都対決」。どちらが勝ってもおかしくない、好カードとなった。
 序盤は立命・菊谷、京産・林の緊迫した投げ合い。菊谷が力のある剛速球で打者をねじ伏せれば、林もダイナミックなフォームから繰り出される変化球で立命打線から凡打の山を築く。守備陣も両投手の好投を盛り立て、堅実なプレーで打者を確実からアウトをもぎ取る。6回まで両チーム無得点、それどころか得点圏に1度しか走者が進塁しない文字通りの「投手戦」となった。決勝に相応しいハイレベルな戦いの行方は後半戦へと進む。
 7回表、立命の攻撃。この回先頭の6番・今井の凡打を野手がトンネルし、無死一塁。ここで流れが立命に傾いたのか、京産の先発・林は突如ペースを乱し、犠打のあと投手・菊谷に四球を与えてしまう。一死一、二塁。初めて訪れた大きなチャンスで打席に立ったのは主将・柳川。「今まで一番頑張っていた」とチームメイトも認める努力家である。その柳川は2球目を振り抜くと打球は左中間に落ちる先制打。「みんなが繋いでくれたチャンスだったので、還したかった」と柳川。厳しい投手戦の均衡をついに破り、立命が待望の先制点を奪う。
 リードをもらった菊谷は「1点取ってくれたら後は守りきるつもりだった」との言葉通り7回以降も球速は衰えず、直球にスライダーも交えながら打者を翻弄する。
 9回裏、立命ナインが長く待ち望んだ瞬間がやって来る。この回先頭京産の8番・稲葉を3球で三振に取り、一死。遊撃を守る主将・柳川はこの時点でもう既に目を潤ませていた。続く9番・奥村は右飛で二死。優勝に必要なアウトはあと1つ、となったところで三塁ベンチから身を乗り出す控えの選手たち。しかし、2死から1番・坂口に京産のチーム2本目となる安打を浴びる。ここで野手からマウンドに向けて「全然大丈夫!」と菊谷を鼓舞する声。その一言でエースに余裕が生まれる。そして菊谷が2番・寺田へ投じたの渾身の80球目-打球が一塁ファールゾーンへ上がり、一塁手・南が手を挙げる-そしてがっちりと打球を掴む-ゲームセット。
 優勝-この瞬間、ナインが一斉にマウンドに詰め寄り、歓喜の渦ができる。控えの野手も一気に駆け寄り、マウンドを中心に大きな輪を描いている。その中心ではエースの菊谷が右手を高く天に突き上げ、おなじみのポーズで喜びを表現している。ダイヤモンドの中央、果てしなく広がる空の下、西日本優勝という光り輝く宝物を手にした選手たちの目からは、涙がこぼれている。
 3回生はこれが最後の大会、「どの学年よりも個性的でやんちゃだった」とマネージャーが語るように、ここまでの道のりは決して平坦ではなかったはずだ。苦しみ、悩み、仲間との諍いも経験してきただろう。その努力が、優勝の瞬間、一瞬にして報われた。「個性的でまとまりがなかった(楳田)」というチームが、やっとこの瞬間、初めてひとつになれた。全員が優勝という同じ目標に向かって挑み、同じ喜びを感じ、同じ嬉し涙を浮かべた。ナインの流した今日の涙は、選手が仲間と苦労を分かち合い、一緒に乗り越え、ひとつになれた、深い、深い、絆の結晶だ。
 
 なお、この大会の最優秀選手賞および最優秀投手賞に菊谷雄大投手、特別賞に柳川慶太選手が選ばれた。

◇インタビュー
柳川主将
「(優勝の要因は)菊谷のおかげだと思う。(優勝旗をもらった瞬間)そこで初めて優勝したんだな、という実感がわいた。このチームでよかったと思った。(特別賞について)自分から獲ったのではなく、選んでもらったという感じ。みんながついてきてくれたから獲れたというだけで、僕一人の賞ではない」
菊谷投手
「ここまで来たら、優勝しか考えていなかった。最後のマウンドは、勝っても負けても引退だったので、少し感極まるものがあった」  

[記事:仙田幸久 写真:多満城沙耶]

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