前列、辰巳選手
後列、左から杉田選手、木村選手、田原選手

 三年ぶりに関西制覇を果たしたパンサーズ。今回はPANTHERS INTERVIEW’08特別編としてスカウトチームのインタビューをお届けする。普段注目されることは少ない彼らだが、優秀なスカウトチームなしに強いチームは生まれない。赤き豹を頂点に導いたのは彼らのフォア・ザ・チームスピリット―。


――まず、スカウトチームの皆さんはどのような仕事をされているのか教えてください。
田原(WR)「オフェンスはコーチが持ってきたプレーが書いてある紙と相手チームのオフェンスを見て、できるだけその通りに再現します。」

杉田(LB)「ディフェンスはリーグ戦では相手チームがやったプレーを書き出して、どういったことをしてくるのかを考えます。それを元にオフェンスが相手のディフェンスのどういったところを突くのかを話し合った上で再現します。その後は相手のコンセプトを考え、立命館のオフェンスに対してどういったディフェンスをしてくるのかを予想して、できる限り相手ディフェンス再現するというのが僕らの仕事です。」


――スカウトチームのやりがいは何ですか?
杉田「スカウトチームには若い選手が多いので、敵の選手の真似をしながらうまくなっていく姿を見られるというのと、試合が終わった後にオフェンスの選手から「スカウトの方が強かったから、試合は余裕やったわ」って言ってもらえた時はうれしいです。」

木村(DB)「立命館の試合に出ているメンバーを止めたり倒したりすることにやりがいを感じます。」

辰巳(QB)「KG戦が終わった後も向こうの選手よりもスカウトの方が強かったと言われたんで甲子園ボウルに向けてもやる気になります。試合に出ているメンバーと練習することで来年、再来年の試合に出る若いメンバーにとって価値のあるものということですね。」

田原「相手のオフェンスが機能していないところを見ると、自分のやったことに意味があったんだなと感じられてうれしいです。」


――アナライジングスタッフとの連携はどうやってとっているんですか?
杉田「アナライジングスタッフは試合のビデオを何回も見ていて、相手が何ヤードの位置にセットするとか、相手のディフェンスが状況によってどのようなプレーをするかを数字で出してくれます。それをもとに練習の時に僕らがどういったサインを使うかを一緒になって考えたり、コーチとアナライジングスタッフ、スカウトチームで話し合って組み立てていきます。」

辰巳「オフェンスは相手の選手とパスを投げるタイミングの違いなどプレーの細かい部分を指摘してくれて相手チームのオフェンスに近づけるようにやってくれます。」


――今秋リーグ戦をスカウトチームの目線から振り返りたいのですが、まず苦戦した神大戦はどうでしたか?
田原「神大戦ではWR大園を止めるためにどんなサインを出すかという練習をしたんですけど、そんなに活躍はしてなかったと思うんでディフェンスはやられた感じではなかったですね。」

杉田「オフェンスが良くなかったのはスカウトディフェンスにも問題があったと思っています。神戸大戦はリーグ序盤というのもあって、夏まで試合に出ることを目標にやって来たのに、いきなりスカウトチームをやらなければならなくなった下回生のモチベーションが特に下がっていました。それで相手のチームに近づけることができなくてオフェンスが良くなかったことにつながったのかなと思います。」


――下回生のモチベーションを上げるためにどういったことをされたんですか?
杉田「試合に出ようと思ったらサインの理解度も上げないといけないし、自分の欠点にも目を向けないといけないということを話しました。相手のチームにも自分よりうまい選手がいるはずなんで、うまくなりたいという気持ちを選手の真似をするようにと持って行きました。」


――では京大戦は?
辰巳「試合ではQBの桐原君にかなりパスを通されてたんですけど、自分が練習中にあまりパスが通せなかったんでこれで負けたら練習でふがいなかったせいだと思ってハラハラしながらサイドラインから見てました。」

木村「京大は立命館に対した時だけ普段と違うディフェンスをしいてきていて、スカウトの予想ディフェンスがうまくできてませんでした。全然練習と違うということにオフェンスがびっくりさせられた感じがありました」


――最後の関学戦はどうでしたか?
辰巳「相手のオフェンスが機能していなかったと思うんで、見ていてディフェンスが心強かったです。」

田原「レシーバーもこっちの方が早かったと言ってくれたんでよかったです。」

杉田「みんなのモチベーションもすごく高くて、相手の選手のアクセサリーまで真似とかしてました(笑)。一年間用意してきたということもありみんながまとまってました。立命館のランオフェンスを関学がどういう風にディフェンスしてくるかをたくさん予想していたんですけど、全部予想の範疇で、コーチからも選手からも評価の高かったスカウトディフェンスやったと思います。」

木村「ベーシックに守ってくるチームだったんで、京大にはらはらしたゲームをやったことによってみんなに危機感がつのってました。二週間前からテンションが高くていい練習ができたという気持ちの面が大きかったと思います。」


――最後に甲子園ボウルへ向けて一言お願いします。
杉田「スカウトディフェンスで再現して、練習で止めてスカウトの方がうまかったと言わせて日本一のスカウトディフェンスになりたいと思います。勝ちます!」

木村「日本一になるために、関学に対してと同じ雰囲気で甲子園ボウルにも臨みたいと思ってます。」

田原「1回生の時の甲子園ボウルは油断して負けたんで、絶対そういうことにならないようにスカウトチームから気合の入ったプレーをしてディフェンスをボコボコにするつもりでやっていきたいです。」

辰巳「油断したら絶対勝てないんで、締めていくためにもスカウトオフェンスがディフェンスにプレーを通せるように集中してやっていきたいと思います。」

◆杉田卓志(すぎた たくし) LB 理工学部電子情報デザイン学科 4回生 身長170cm 体重90kg
◆木村智頼(きむら ともより) DB 文学部人文学科 4回生 身長168cm 体重75kg
◆田原樹(たはら いっき) WR 経済学部経済学科 4回生 身長170cm 体重72kg
◆辰巳友作(たつみ ゆうさく) QB 経済学部経済学科 3回生 身長176cm 体重74kg

<編集後記>
素晴らしいスカウトチームがいたからこそ、パンサーズ復権は成し遂げられたと取材を通してつくづく感じました。これから迎える甲子園ボウル、そしてライスボウルへ向けても心強いです。日本一まであと二勝。入念なスカウティングに基づいた強いパンサーズを見せてください!
(取材・構成/永楽萌・岸川祐太)

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