「群雄割拠」――今年の関西大学ラグビーAリーグを表すにはこの言葉が相応しいだろう。第6節終了時点で無敗チームが消え、上位4校に優勝の可能性が残る大混戦。この状況の中、立命館はここまで4勝2敗の3位と大健闘を見せている。残すは11月25日に行われる同志社戦のみ。この一戦に勝利すれば、2000年以来の関西制覇が視野に入ってくる。
昨年度まではシェルフォード氏ら外国人コーチがチームを率いていた立命館。しかしコーチングやコミュニケーションの面で意思疎通を図るのが難しく、思うような結果が残せなかった。そこで1996年まで指揮していた吉田監督が再任。日本代表も経験した中林正一氏がFWコーチに就くなど、OBを中心とした指導体制で新たなスタートを切った。
その吉田監督が標榜するのが「ランニングラグビー」。フィールドを大きく使い、ワイドな展開を目指す。大型FWを軸とし、徹底してFW戦で挑んでいた去年までとは大きく異なる。現にここまでの戦いを振り返っても、BKの両端に位置するWTBの二人(佐藤智、玉川)が決定的なシーンを度々演出。シーズンの深まりと共に選手たちに戦術が浸透していることが伺える。そして今季の立命館を表す上で欠かせない、もうひとつのキーワードが「粘り」だ。リーグ戦6戦中5戦が10点差以内のロースコア。勝っても負けても粘り強い戦いを見せるのが今季のチームカラーである。「走ってタックルのできる選手を中心に選んでいる」と吉田監督が述べるように、激しいディフェンスで失点を最小限に留めていることが緊迫した試合を生み出している要因だ。
1回生ながらレギュラーを獲得したSH池町もディフェンス力を買われての抜擢だった。「球捌きはまだ改善の余地がある」と吉田監督は評するが、元FLらしい鋭いタックルでチームに貢献。同じく1回生のSO尾松はロングキックが最大の魅力。その右足から繰り出されるキックに観衆からは驚嘆の声が漏れる。また尾松とSOの座を争っている2回生の大嶌は長短自在のパスが武器だ。また“バックスリー”の玉川・佐藤智・佐藤吉の3人はいずれも決定力を兼ね備えており、特に佐藤吉は独特の間合いとステップでスピードに乗るとなかなか止められない。関学戦でも独走トライを2本決めている。FWではFLを務める井上主将は負傷のため京産大戦を欠場したものの、それまでの戦いでは献身的な働きを見せていた。またLO家長のタテの突破力は脅威である。FW全体としては去年までと比較すると小さいが、その不利を運動量でカバーしている。
迎える同志社戦。同志社は勝利すれば2年ぶりの優勝が決定するだけにモチヴェーションは高いだろう。一方、立命館は同志社に勝利し、かつ12月1日に行われる大体大対京産大戦で大体大が敗れれば4校が5勝2敗で並ぶ状況になり、初めて優勝の二文字が見えてくる。その道は容易ではないが、わずかな可能性を信じて “紺グレ”撃破に挑む。
▼関西リーグ今後の行方
最終節の上位4校の勝敗次第で順位は大きく入れ替わる。
1.立命館● 大体大○の場合・・・
同志社と大体大が6勝1敗で、立命館と京産大が4勝3敗で並ぶが、直接対決の結果、1位同志社2位大体大3位立命館4位京産大となる。この場合、立命館は大学選手権1回戦が関東大学対抗戦3位校と12月16日近鉄花園ラグビー場で激突する。
2.立命館● 大体大●の場合・・・
同志社が6勝1敗となり2年ぶりの優勝が決まる。5勝2敗で大体大と京産大が並ぶが、直接対決の結果京産大が上位となり、1位同志社2位京産大3位大体大4位立命館となる。この場合、立命館は大学選手権1回戦が関東大学リーグ戦2位校と12月16日瑞穂ラグビー場で対戦する。
3.立命館○ 大体大○の場合・・・
大体大が6勝1敗となり2年連続の関西制覇が確定。5勝2敗で立命館と同志社が並ぶが、直接対決の結果立命館が上位となり、1位大体大2位立命館3位同志社4位京産大となる。この場合、立命館は大学選手権1回戦が九州学生リーグ1位校と12月16日博多の森球技場で対決する。
4.立命館○ 大体大●の場合・・・
立命館・同志社・大体大・京産大の4校が5勝2敗で並ぶ。この場合、5勝2敗で並んだ4校間の対戦成績を見る。そうすると立命館と同志社が2勝1敗、大体大と京産大が1勝2敗となる。2勝1敗同士の立命館と同志社は直接対決の結果立命館が上位となり、同様に大体大と京産大は京産大が上位となる。よって、1位立命館2位同志社3位京産大4位大体大となり、立命館の優勝となる。関西1位の場合、大学選手権1回戦は関東大学対抗戦5位校と12月16日近鉄花園ラグビー場で激突する。
試合予定
関西大学ラグビーAリーグ
11月25日(日)
14:00K.O 宝ヶ池球技場
立命館大学 vs 同志社大学
(企画・構成 本宿達也)


