▼波瀾万丈の秋
春の覇者にとって秋は厳しい戦いとなった。開幕からまさかの2連敗。しかも相手は一部に昇格したばかり。格下相手に負け、早くも降格の二文字がチームをよぎる。迎えた第3戦、対大体大戦。立命館のバレーが戻ってきた。丁寧にサーブカットをあげ、両サイドが決める。全員がボールをつなぐために走った。「試合はみんなでやる。チームメイトを信頼し一人でがんばるのではない。」試合後の為山監督の言葉にすべてが表れていた。

こうして悪夢の2連敗から立ち直り、もうひとつ勝ち星を増やし良い形で上位との対戦が始まった。高さ、速さ、強さがこれまでとは格段に違う強豪同士の戦い。力が均衡しているためラリーが続き、何度もジュースになる。上位対決初戦の相手は大商大。相手はエースがケガから復帰し、波に乗っている。そんな相手に立命館は果敢に挑んでいった。城、岡西がサーブで相手の守備を崩す。センター上田のクイック。第4セット以降は野々村のスパイクが次々と決まり、フルセットの末2時間にも及ぶ試合に勝利した。続く近大戦ではブロックが機能し、チームも上向きの状態で大産大戦に臨む。しかし、リベロの湯野や野々村が懸命にボールを追うが、サーブミスなどで焦りがみえ、なかなか自分たちのペースを作ることができず敗戦。ここからまた苦しい試合が続く。3敗を喫したものの上位リーグに進出した立命館。4敗がつくと連覇の夢が絶たれる。優勝へのわずかな望みをつなぎたい。誰もがそう思った。上位リーグ初戦、大商大戦ではでは自分たちの粘りのバレーを展開するが惜敗。内容も悪くなかっただけに悔やまれた。2連敗のあとの天皇杯では立て直しをはかり、主力メンバーが出場。久々に勝利するが、翌週の大産大戦はまたもや敗戦となってしまう。最終戦はホームで行われた。ストレートで勝てば3位浮上の可能性が残る一戦。近大を相手にブロック、石黒のクイック、城のサーブが次々と決まる。勝利したものの1セット奪われたため、秋季リーグは4位で幕を閉じた。

春の優勝に比べて順位は下がったが、センター上田の決定率が上がったり、ブロックのワンタッチが増えたりと課題が克服されつつあるのも事実。また開幕2連敗から立ち直った経験も大きな糧となるだろう。全日本インカレではベスト8以上を狙う。立命館らしい粘りのバレーを展開し、その目標を達成してほしい。

渾身のスパイク!エース野々村

▼求められる新たな力
控え選手にとって11月は自らをアピールするには最適な一ヶ月だ。主力選手で編成されたAチームが優勝した京都選手権。その影で控え選手で編成されたBチームも可能性を感じさせる試合を展開した。セッター高濱を中心に繰り出されるスピーディーなバレー。センター細見がおとりとなり、サイドの中尾、奥平、西村が勢いよく決める。1回戦京産大Bとの一戦では主力選手から多くの声援を受け、波に乗るBチーム。第1セット福田のサーブからの連続ポイントを奪う。第2セットは相手に4点差をつけられるが、大賀のレシーブから流れを掴み逆転勝利。2回戦で龍大Aに敗れはしたもののリードを奪っていた。多くの新しい力が求められている現在、彼らのこれからに期待がかかる。

控えチームも好調をキープしている

▼いつも近くで・・・
戦っているのは選手だけではない。トレーナーやマネージャーもチームによせる想いは変わらない。トレーナーの大西は常に明るく、チームの盛り上げ役だ。「コートに立てない分どれだけ盛り上げられるか。そのためのベンチ入り。」とその役割の重要性を理解している。また主力選手と控え選手のパイプ役となることも。「コートの中と外の温度差をどれだけ詰められるか。自分がプレーしているつもりで試合中声を掛けている。」とチームをまとめるのに尽くす。またベンチにユニフォームを並べたり、選手の給水やアイシングの準備をしたりと陰ながら支えているマネージャー。主務も兼任する鈴鹿は「プレーできないが何か自分がやることでチームに貢献したい。勝ったときや選手に『ありがとう』と言われたときがうれしい。」と語る。彼らがいてこそ成り立つチーム。「ベスト8にむけてチーム全体がひとつになっていきたい。」(大西)、「先を見つめて一番でがんばってほしい。」(鈴鹿)と彼らもまた選手と一丸となる。

▼夢に挑む戦士たち
インカレで主力となる選手たち。最高のパフォーマンスを魅せてほしい。
 
①松島真(主将、セッター):常に冷静にトスをあげる。トリッキーなツーアタックや自らスパイクを打つことも。キャプテンとしてチームをよく見ている。
②石黒晋史(センター):秋季リーグからポジションを奪取。クイック、ブロックで得点を重ねる。得点後のパフォーマンスでチームを盛り上げる。
④城佑介(ウイングスパイカー):緩急を織り交ぜたジャンプサーブで春秋2季連続サーブ賞。チームの雰囲気が下がると選手に声を掛けチームを鼓舞する。取材陣にもいつも笑顔で対応。
⑦野々村誠(ウイングスパイカー):まるで空中で止まっているかのような長い滞空時間。バックアタックの決定率も高い。またレシーブやカバーにもよく走る。「負ける気がしない」といった自信に満ち溢れた発言が心強い。
⑨湯野永知(リベロ):甘いマスクに似つかわしくないどんなボールも追いかける熱い一面を持つ。神がかりなレシーブに観客席がどよめくことも。バックからのトスは得点源のひとつ。
⑩岡西嶺治(ウイングスパイカー):力強いサーブ、スパイクが魅力。レフト、ライトの両方の決定率が高い。カバーに観客席まで走る姿、時折見せるガッツポーズが印象的。
⑮上田能靖(センター):春季リーグ新人賞。ブロック、クイックの決定率が伸びてきている。秋季リーグではサーブから連続ポイントが決まるシーンもよく見られた。
⑪奥平祐介(ピンチサーバー):安定したサーブで相手守備陣を崩す。京都選手権ではレフトからスパイクを決めていた。
⑯大賀惠介(ピンチサーバー):立命館で唯一の左利き。小柄だが安定したレシーブでチームに貢献。
⑳関将吾(センター):190cmを超える大型センター。秋季リーグは石黒との交代で出場することが多かった。

▼決戦の舞台へ
大学バレーで最も大きな大会、全日本インカレ。1年間の集大成といえるこの大会で立命館の真価が問われる。春季リーグ優勝、秋季リーグ2連敗から立ち直った経験は大きい。ベスト8以上と掲げた目標にむけ彼らは翼を広げる。

今後の試合予定
京都チャンピオンズフェスティバル
11月24日(土)25日(日)
京都府立体育館
檗龍會対花園高校の勝者

天皇杯セミファイナル
12月1日(土)
15:00 九州文化学園高校
立命館大学対長崎教員

全日本インカレ
12月10日~16日
越谷市総合体育館メインアリーナ
立命館大学対駒澤大学

(企画・構成 徳本恭子)

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