◇一位<10月26日、第26回全日本大学女子駅伝、仙台市>
 肌寒い風が、一足早い晩秋の訪れを告げる。けやき並木の色づく、杜の都仙台。今年もこの季節がやって来た――仲間を信じ、自分を信じ、タスキをつなぐ。その先に、歓喜の瞬間が待っている。2008年10月26日午後12時10分、3連覇へ向けて立命館がスタートした。

 立命館は若さ溢れるフレッシュな布陣を敷いた。1、2、4、5区の実に4区間にルーキーを配置する大胆な作戦。3区には押しも押されもせぬエースに成長した小島が待ち構え、アンカーは仙台をよく知る松永が締める。

 1区を任されたのは岩川。先頭集団に食らいつくも、初出場の関大・松山の飛び出しについていけない。三つ巴の争いと言われる佛教大・名城大の後塵をも拝し、首位から遅れること34秒でつないだ。

 続く竹中も状況を打破できない。関大こそ抜いたものの、首位・佛教大からは42秒差の4位。連覇への道に、黄信号が灯った――かに思われた。

 しかしそんな不穏な空気を、一瞬にして切り裂くことができるエースが、立命館にはいる。その名は小島一恵。タスキを受け取った瞬間、彼女の目はただ先頭を見つめるのみ。昨年よりも凄味を増した区間新の激走を見せ、首位の背中をはっきりと捕らえることのできる1秒差の2位でリレーした。

 こうなるとあとは立命館のペース。小島以来の大器との呼び声高い10000mの学生王者・沼田がみるみるうちに先頭に立ち、後続との差を広げていく。その風貌からは想像もつかないダイナミックなフォームから繰り出されたタイムは、従来の区間記録をなんと17秒も更新。逆に39秒の差をつけ、5区の田中につなぐ。

 流れに乗せられるかのように田中も快走。さらに30秒差を広げ、優勝へ向けてセーフティリードの圏内へエンジのタスキをいざなった。

 アンカーの4回生・松永は貫禄の走り。表情にも余裕が見られ、最後の仙台を慈しむかのごとく定禅寺通りを駆け抜けていく。フィニッシュは指で「3」を作りながら笑顔でテープを切り、3連覇を掌中に呼び込んだ。

 前人未到の5度目の優勝。類稀な素質の上に努力を重ねた選手の奮闘と、時に優しく、時に厳しく指導する「十倉マジック」の融合が最強であることを、今年も見事に証明する結果となった。

最強王者の名をほしいままに、女子長距離界を席巻する立命館。昨年アンカーを走った樋口紀子(現・ワコール)は「大学は毎年部員が変わる。1年1年、初優勝という気持ち」と語っていた。3連覇という名の「初優勝」。来年も、再来年も、その次も、何度も重ねられるであろう「初優勝」が、常勝・立命館への礎を築き上げていくのかもしれない。次に狙うは選抜駅伝の6連覇と、第12回~第15回大会に京産大が記録した4連覇に並ぶこと。今日ゴールテープを切った瞬間から、その戦いはすでに始まっている。
(文責・北野将市/写真・鷲山美恵)


1区・岩川「1年間がんばってきて最高の結果が残せて嬉しい」

2区・竹中「チームのみんなにありがとうと言いたい」

3区・小島「先頭に少しでも近づけたらと思っていた。後ろにいい選手がいるので信じていました」

6区・松永「本当に嬉しい。いい位置で持ってきてもらえたのであとはゴールするだけでした」

十倉コーチ「勝因はみんなの力の集結です」

第1区 6.0km
岩川真知子(1)

第2区 6.6km
竹中理沙(1)

第3区 9.1km
小島一恵(3)

第4区 4.9km
沼田未知(1)

第5区 4.0km
田中華絵(1)

第6区 8.0km
松永明子(4)

※()内は学年

総合タイム:2時間6分53秒
総合成績:優勝

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