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4連覇を達成し、笑顔を見せる選手たち

<10月26日(日) 第32回全日本大学女子駅伝 @宮城県仙台市>

史上2校目となる4連覇を目指した立命館。しかし、昨年の優勝メンバーである青木(スポ2)と廣田(済2)が故障で欠場、エース格の津田(営4)と菅野(済2)も故障明けと苦しい台所事情であった。それでも昨年同様に1区から一度も首位を譲ることなく、4連覇を成し遂げた。

1区は昨年と同じ大森(スポ2)。学生トップクラスの実力を持つ大森には後続を突き放す走りが期待されたが、スローペースにはまってしまう。ラスト1kmになっても10人以上の集団だったが、残り500mを切ったところで大森が先頭に立つ。昨年同様に自慢のラストスパートが炸裂し、トップで襷を渡すことに成功した。2位の大東大とは1秒のリードにとどまったが、「とにかく1番で」という十倉コーチの思惑通りに滑り出すことができた。

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2年連続で区間賞を獲得した大森

2区はルーキーの太田(スポ1)。最初の1kmを2分58秒という驚異的なペースで突っ込み、後ろを大きく引き離す。後半に入ってもペースが衰えなかった太田は昨年に菅野が樹立した区間記録を10秒上回る17分29秒で走破。2位の松山大と52秒もの差をつけた。区間2位の奥野(京産大)とも45秒差をつける走りを見せた太田。新たな柱が杜の都で誕生した。

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圧倒的な走りを見せた太田

2番目に長い3区には初出場の園田(済2)が任された。序盤は落ち着いて入った園田は3kmの時点で2位の大東大との差を第2中継所の1分08秒から29秒差まで詰められてしまう。しかし、終始安定した走りを見せた園田は後半に入って差を広げ、37秒差で4区の菅野に襷を繋いだ。

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落ち着いた走りを見せた園田

最短の4区には主力の菅野が出走。9月に故障して十分に練習が積めていない状態でのレースだったが、それを感じさせない強気の走りで後続との差を広げていく。最後まで攻め続けた菅野は区間記録を8秒上回るタイムで走りきり、リードを1分08秒に広げた。

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区間新を記録した菅野

最長の5区には昨年に引き続き津田が任された。これまでの3連覇には全て走って優勝に貢献してきた選手で、4年連続出走で4連覇を達成すれば史上初の快挙である。しかし、津田は7月に故障して夏合宿はほとんど走ることができず、ギリギリでこの舞台に合わせてきた。序盤こそ順調な出足だったが、中盤から苦しそうな表情を見せると、給水にも失敗してしまう。後半に入って大東大と大院大に差を詰められたが、大崩れすることなく、最終区の菊池(スポ3)に襷を繋いだ。

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最後の杜の都を駆け抜けた津田

最終6区を走ったのは主将の菊池。菊池にとっては2年ぶりの杜の都で1年半もの間、体調不良で走れなかった時期を乗り越えて掴んだ舞台である。最初の2kmは快調な走りでリードを保っていたが、そこから苦しい走りになり、徐々に後ろとの差が詰まっていく。それでも最後まで力強い走りを見せた菊池は4連覇をアピールするポーズでゴールテープを切り、笑顔で仲間の元へと駆け込んだ。

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トップでゴールした菊池

今年は故障者が続出し、年間を通して苦しい状況が続いた。それでも全ての選手が決して諦めずに4連覇するんだという強い気持ちで日々の練習に取り組んだことが4連覇という偉業に繋がった。来年は前人未踏の5連覇に挑む。再び歓喜を味わうために彼女たちはまた走り続ける。

<大会結果>
1位 立命館 2時間04分36秒
2位 大東大 2時間04分57秒
3位 大院大 2時間05分00秒

<個人結果>
1区(6.4㎞) 大森菜月 20分55秒 区間賞
2区(5.6㎞) 太田琴菜 17分29秒 区間賞(区間新)
3区(6.8㎞) 園田聖子 22分35秒 区間3位
4区(4.8㎞) 菅野七虹 15分40秒 区間賞(区間新)
5区(9.2㎞) 津田真衣 30分20秒 区間4位
6区(5.2㎞) 菊池文茄 17分37秒 区間3位

<コメント>
●浅井監督
「4連覇を実現することができて本当に嬉しい。走った6人が底力を発揮して勝ち取ってくれたと思う。特に菊池は1年間体調が悪い中、頑張ってアンカーを努めてくれてみんなの支えになってくれた。それ以前に3連覇したそれぞれの選手が同じように苦しみを味わったと思うが、4連覇した選手やスタッフのおかげだと思っている」

●十倉コーチ
「1区は大森に行ってもらうしかなかった。とにかく1番で走ってきてくれるというのが役割だったので、本人は秒差を気にしていたが、役割は果たしてくれたと思う。菊池は1回生の時に逆のコースを走っていて、あのコースは走れるだろうなと、登りの練習も積極的に走れるようになっていて地形的に行けるいいかないうのと、みんなが信頼しているリーダーなのでそこまで持っていければ、菊池にというのがあった。個人的にも菊池のゴールを見てみたかった。本当に辛抱強くやってくれていたので、ちょっと泣きそうになった。人前では泣かないですけど(笑)。(強さの秘訣について)今まで活動してきた学生たちが伝統を残してくれたいたので、良いも悪いも次のお土産になって今に受け継がれている。表に出て戦うようになって周りの方々がたくさん応援してくださるのが身に染みて感じているので、選手たちの力になっていると思う。(津田の4年間の成長について)準備満タンの状態で臨んでくれたら本当に成長したなと思うけど本当にカツカツだったので(笑)。よくたどり着いたなという感じだった。彼女もどこかで諦めていたらこの日はなかったと思う。苦しんだが、苦しみが自分が走れないとダメというのがあった。応援しようというのではなくて、私が走って4連覇をもたらす役割をしたいという焦りがあって、追い込まれていた。目的意識が強い故に相反する状況になって、本人はすごく苦しんでいた。寝れない日も多くあったと思うし、目を腫らしている日もあった。5区の起用はある程度を覚悟を決めて最上級生の意地に賭けるしかなかった。レース中はヒヤヒヤしていたし、ラスト1.5㎞でもドキドキしていた。選抜に向けてはまた立て直さないといけない。ロードに強い子は他にもいるので候補はまだまだ出てくると思う。廣田はエントリー直後に故障が発覚して走れなくなって、青木は夏に取り戻そうと思って走り出したが、その焦りが災いしてしまって、間に合わなかった。主力の故障はダメージが大きかった。今後は授業もあるので学校で練習を重ねていく予定」

●大森選手
「個人の試合で勝つよりも駅伝で勝つことが本当に嬉しい。個人としてもこの1年間は苦しいこともあったけど、こうやって駅伝で一つのことにチームのみんなで苦しい練習も乗り越えられてこれて4連覇できて本当に良かった。どのレースでもあまりレースプランを考えずに自分の直感勝負でその場で判断するのが自分のレーススタイル。スローだとは思っていたが、振り返ってみるとスローペースにはまってしまって、きつくなって、最後まで集団で走ることになってしまった。自分のペースで一人で押していく力と度胸がなかった。後ろと差を開けて後輩を楽に走らせてあげたいという気持ちだった。区間賞は最低限で自分で採点したら不合格。自分の役割を果たすことができなかった。レース中は一番で渡すことしか考えていなかった。昨年は転倒もあったりしたが、今年は落ち着いて周りの選手の息づかいを見ながらどこで出ようかというのは考えていたのでしまったというのはなかった」

●太田選手
「初めて立命館のユニフォームを着て全日本大学女子駅伝を走らせてもらって、沿道のたくさんの人の応援が追い風になって走ることができた。自分だけじゃなくて多くの人々の支えがあって優勝できたと思っているので、凄く嬉しく思っている。タイムにこだわらず、差を広げる事を考えて走った。前日にコーチと話をして、レース展開を考えて前半から突っ込んで入るか、落ち着いて入って中盤から上げていくかと二つ考えていた。自分でもいけると思ったので前半から飛ばして、後半の事はあまり考えずにとにかく前へという気持ちで後ろも気にせずに走った。今までこんなに突っ込んだことはなかったし、そんなに速いとは思わなかった」

●園田選手
「立命は本当に日本一のチームだと思う。こんな素敵な仲間たちと4連覇を達成できて嬉しい。この一員になれて本当に良かった。私たちがこのように活動できるのは、家族や友人、チームメイト、マネージャー、コーチ、監督…応援してくださるみなさんのおかげです。応援本当にありがとうございました。津田さんが「4連覇出来なかったら、それは私たち4回生のせい」と言っていた。私は「そんなことない!先輩がいないと4連覇はできない。私も先輩の力になりたい」と思って走った。菊池さんは自分がスランプのときに励ましてくれたり、メールをしてくれたりする優しい先輩。本当に頼りにしている。津田さん、菊池さん、先輩方のおかげで成し遂げられたのだと思う」

●菅野選手
「1回生のときは自分が走ることにガムシャラだったけれど、2回生になってからは「自分が走ってみんなを楽にさせないと…」という気持ちが強くなった。しかし、インカレ後にけがをして、まともな練習ができてなかった。結果、短い距離を走ることになって悔しかった。でも、その中で自分が陸上をどれだけ好きで、走ることがどれだけ素敵なことなのかよく分かった。みなさんの支えのおかげで、私は走ることができた。幸せものだと思う。個人としても精進したい。津田さんには「エース区間を、一番長い道のりを走らせてごめんなさい。負担をかけてごめんなさい」という気持ちがある。でも、一番長い距離を走ることができるのは津田さんだけだと思う。津田さん以外に走る姿を想像できない。1回生のときから背中を追いかけてきた。その先輩に史上4連覇を贈ることができて本当に嬉しい。(区間賞について)本当だったら、もっと長い区間を走るはずだった。調子が悪い中で使ってもらったからこそ、最低でも区間賞は撮ろうと思った。失速しがちで目標を達成できなかった。でも、この悪い状況でこれだけなら、練習をすればもっと良くなるということ。マイナスに考えずに、プラスに考えていきたい」

●津田選手
「故障が多くて、後輩がチームを引っ張り、盛り上げてくれた。あまりよくなかったが後輩に助けてもらい、勝たせてもらった。個人の力では優勝できないが、チームで頑張れば優勝できると感じたし、それが駅伝の魅力。周りの人々に感謝の気持ちでいっぱい。夏の間は走らず故障者として参加していて、みんなを見ているだけだった。その後走り出すのが早くて、また故障してしまい、諦めようかと思ったが、先輩たちが3年前優勝させてくれたし、その経験がなければ4連覇は達成できていなかったし、その思いを、後輩に5連覇してほしいと言う形で託したいので諦めずスタートラインに立った。菊池とは親しくて、菊池も苦しい時期があったけど、逆に自分が何度も救われていたので、絶対一緒に走ろうと思っていた。共に走れて嬉しかった。「笑顔で」と言って襷が渡せて本当に嬉しかった。
(富士山に向けて)ここまで負けなしなので、優勝して完全優勝して後輩の来年の優勝へのステップにつなげていきたい」

●菊池主将
「4連覇し自分たちの誇りであり、感謝の気持ち。チーム状況はいろいろあったけど、1つ1つしっかりやって最大限力を出せるように練習してきた。力を出しきるまでにもたくさんの支援があり、皆さんのおかげ。後輩や先輩に助けてもらった。笑顔でゴールできて、駅伝の魅力を感じた。4連覇に向けては、みんなが一緒になって考えてくれて、全員の力を一緒にしてくれた二人だけでなく、チーム全員で連覇を成し遂げた。1年半以上レースを走れなかったが、津田さんとつなぐと思ってレースに励んだ。「笑顔でゴール!」と言われたし、そう言われたからゴールだけ見て走れた。いろんな思いを糧に自分しかできない体験を1年で経験できたし、それをプラスに今日を迎えられた。苦しいときは助けてもらって感謝の気持ちでいっぱい。今までにない思いで今日を迎えられて嬉しかった」

[記事:馬場遼、仙田幸久、成澤郁美 写真:馬場遼、成澤郁美]

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