<12月23日(火) 2014富士山女子駅伝(2014全日本大学女子選抜駅伝競争) @富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場>

今年で2回目を迎えた富士山女子駅伝。連覇を目指す立命館は2区で首位に立つと、最後まで先頭を譲らず、大差をつけて連覇を飾った。

1区は10月の全日本大学女子駅伝に続いて大森(スポ2)を起用。大学駅伝で負けなしのエースを投入して、先行逃げ切りを狙った。下り坂が続くコースで大森は序盤から先頭集団の前方につける積極的なレースを展開する。.大森はラスト1kmで仕掛け、得意のラスト勝負に持ち込んだが、残り400mを切ったところで1500mを得意とする飯野に逆転を許し、2秒差の2位で襷リレーとなった。

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惜しくも区間賞を逃した大森

2区は駅伝デビューとなる岩井(スポ1)。高校2年生の時には立命館宇治高で全国高校駅伝の優勝メンバーとなった選手である。岩井は1km地点で東農大を捕らえると、そのまま単独トップに立つ。後方から7位スタートの大東大が追い上げたが、先頭を守って第2中継所を通過した。

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岩井から園田への襷リレー

3区は昨年にこの区間で区間賞を獲得している園田(済2)。スタート直後に5秒差の2位でスタートした大東大に並ばれるが、2km過ぎに突き放す。区間後半のアップダウンも昨年の経験を生かして攻略すると、2位の東農大に17秒差をつける独走態勢を築いた。

4区は初めて最長区間を任された菅野(済2)。秋の故障が癒えた菅野は序盤から区間新ペース積極的なレースを見せ、後続を引き離す。後半に入ってペースが落ち、2位に浮上した大院大に追い上げを許したが、トップを死守して第4中継所を通過した。

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エース区間を力走した菅野

5区は急成長を見せ、メンバーに抜擢された和田(スポ1)。全国の大舞台での経験がない和田だが、安定したペースを刻む。第4中継所から2位との差を広げて6区の太田(スポ1)に襷を渡した。

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初めての大舞台を経験した和田

6区は全日本大学女子駅伝で快走を見せた太田。序盤から区間記録を大幅に超えるペースで後続を大きく突き放す。2位争いを繰り広げる大院大と大東大をよそに2位との差を22秒から1分32秒と一気に大差をつけた。太田は区間記録を53秒も更新。区間2位との差は1分10秒と圧倒的な力を見せつけた。

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驚異的な走りを見せた太田

7区はこれまでの4年間で全ての優勝に走って貢献してきた津田(営4)。今年は故障に苦しんだが、仲間の待つゴールに向けて急な登り坂を駆け上がる。富士山に向かって走っていくコースだが、「後傾しないように白バイを見て走ったので富士山は見えなかった」と自分の走りに徹した。厳しいコースだけでなく、これまで多くの苦しみを経験してきた津田だったが、全てを乗り越えた先には栄光のフィニッシュが待ち受けていた。これまでの思いを噛みしめるようにトラックを1周すると、笑顔でゴール。そして迎える仲間たちも笑顔だった。津田は区間賞を獲得し、最高の形で大学駅伝を締めくくった。

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笑顔でゴールする津田

区間賞を獲得したのは太田と津田の二人で昨年の五つから比べると数は少ないが、全員が区間4位以内と総合力の高さを見せつけた。

これをもって長距離パートの4回生は引退となる。彼女たちは4年間、駅伝で負けなしという偉業を成し遂げた。常勝軍団を支えてきた学年が卒業するが、力のある下級生たちがこれからも連覇の記録を伸ばしてくれることだろう。全ての駅伝を走りきった津田は今年、卒業した三井綾子さんが所属するユニクロで陸上を続ける。早くからのマラソン挑戦を明言しており、これからの活躍にも期待がかかる。

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富士山を背景に記念撮影をする選手たち

来年は1区から6区までを走った6人を初め、力のある選手が多く残っている。またインターハイ3000mで日本人トップになった立命館宇治の関紅葉や21日の全国高校駅伝で優勝に貢献した薫英女学院の加賀山実里、恵奈姉妹ら有力な選手が入学予定で、ますます選手層は厚くなることだろう。ハイレベルな切磋琢磨でさらにレベルアップした姿を見せて欲しい。

<総合結果>
1位 立命館 2時間22分20秒
2位 大院大 2時間24分04秒
3位 大東大 2時間24分32秒

<個人結果>
1区(6.6km) 大森菜月 20分25秒 区間2位
2区(3.5km) 岩井朝香 11分00秒 区間2位
3区(4.4km) 園田聖子 14分25秒 区間4位
4区(9.4km) 菅野七虹 30分58秒 区間4位
5区(5.0km) 和田優香里 16分13秒 区間2位
6区(6.8km) 太田琴菜 21分37秒 区間賞(区間新)
7区(7.7km) 津田真衣 27分42秒 区間賞

<コメント>
●十倉みゆきヘッドコーチ
「区間配置は前日の11時半に決めた。最初から力のある選手を置けたら良かったが、今回は序盤の短い区間を低回生が担当することになってそこが上手く乗り切ってくれたらチームも流れるだろうしその子達にも今後に繋がると思っていた。初めて大学駅伝を走る選手もいて心配はしていたが、序盤の所で心配していた子達がしっかりと働きをしていたので後半に置いた主力の子達がノビノビと走れたのでトータル的には良かったと思う。アンカーにあの差をつけてくれてくれると津田がノビノビと走って最後に区間賞を取ってくれたらというのがあったので競技場に入ってきた時も1位で来たのは嬉しかったけど最後に津田に区間賞を取って終わってもらいたいというのがあったので最後まで気は落ち着かなかった。4年間ずっと頑張ってきてくれたので津田にテープを切ってほしいっていうのがあった。元々登りはそんなに得意ではないと思うけど頑張ってくれたので本人もその責務を果たしてくれたのと今は達成感があるんじゃないかなと思う。津田はピッチ走法なのでマラソンの可能性は大いにあると思う。本人には申し訳ないけどここまで伸びるとは思っていなかった。この1年間は色々しんどかった。心配の種が尽きなかった。仙台の前に主力の故障が相次いでギリギリ間に合わせた感じではあったが、それが回復してきた子と直りきっていない子が半々で万全の状態ではなかった。全員が◎で臨めたら良かったけど×が△に、△が○の所までだった。これからもう一度チームを立て直して何とかこの不安な状況を乗り切ったことは良かったけど、不安な状況ではなくて安定してレベルアップした逞しいチームとして戦いたい」

●1区・大森菜月選手
「チームとしてはみんなが勝ちたいという気持ちで走ってくれて最後の真衣さんまで良い形で繋ぐことができて本当に良かった。でも自分としては不甲斐ない走りをしてしまって期待とか応援とかに応えられなかった。思いの外きつくて上手く下りを走れていないのかもしれないけど長く感じた。今回は飛び抜けていきたいなと思っていたけどそれも中途半端になって最後にスピードのある選手に交わされてしまって自分の力のなさを実感したレースだった。この1年間は本当にしんどかった。期待が大きくなる一方で、自分も去年より勝ちたいという思いがある中で体が動かないっていうのでその差がすごくしんどくて誰も期待しないでほしい、見ないでほしいと思ったくらいだったけどそれでもこうして応援してくれる人がいることはありがたいので今度は期待に応えられるように自分の目標である世界大会に日本代表として出て行くことを実現させるためにもここから冬季に入るので次のトラックシーズンまでにはもう一段階レベルアップした姿を見せられるようにまた頑張りたい。来年は世界陸上を目標にしていて大学の枠を超えていきたいというのがあるのでJAPANのユニフォームが着られるように頑張りたい」

●2区・岩井朝香選手
「見えない支えに本当に助けられて優勝することができた。仙台女子駅伝を走れなくて悔しかった。だからこそ、富士山女子駅伝は走ろうと思った。そして、襷を受け取ったからにはチームに貢献しようと懸命に走った。緊張はしてない。チャンスを頂いたんだから、自分のものにしよう、楽しもうと考えた。3.5km走ったが、沿道で大学の名前だけでなく、私の名前を呼んでくださる方がいた。まるで地元かと思いました。出身が京都なので、都大路を走ったんですが、その時と同じくらいでした。
高校の全国制覇したときも今回も優勝させてもらった。自分らしい走りができなかった。同じ1回生の太田は仙台女子駅伝でも区間新記録を出しているので、彼女のように自分の走りをしたい。チームの目標は完全優勝なのでやはり区間賞を狙っていた」

●3区・園田聖子選手
2連覇できてホッとした。そして、駅伝っていいなぁと心から思った。個人としては区間賞を取れなかったので悔しい。試合前、去年の区間賞のことを考えていた訳ではない。しっかりとチームに貢献しようと考えていた。去年は準備段階から上手くいってて、当日の調子も良かった。しかし、今年は調整が上手くいかなかった。紆余曲折あったけれど、結果的に優勝できて良かった。沿道沿いに親とか知っている人が多くいました。知らない人でも、みんな立命を応援をしてくださったので凄く力になりました。支えてくれた家族やチームメイト、自分の力を引き出してくれた沿道沿いの皆さんに感謝の気持ちでいっぱい」

●4区・菅野七虹選手
「最長区間を真衣さんに任せっきりで申し訳ないというのを去年から持っていたのと自分もエース区間を走りたいという憧れはあったけどそれに伴った練習ができていなかったのでやっと全女が終わって走れる脚になって練習も積めていたけど1ヶ月半ではこんなものかなという感じ。3分15秒ペースを目標にしていて今日はそれくらいで去年の区間賞のタイムでは走れていたので長い距離のデビュー戦としては自分の中では良かったけど区間賞を取って気持ちよく終わりたかった。考えていたことはイーブンで刻んで良いきっかけになるレースにしたかった。来年は長い区間にぜひ使ってほしい。ユニバシアードは大好きな韓国(菅野はBIG BANGの大ファン)で開催なのでそれだけは絶対に出たい。今回は全女以上にやばい状況でチーム不安はあったけど絶対に負けないという気持ちはどこよりも強いと思うのと走れなかった人達の悔しい思いも伝わってきて、その人たちのためにもという気持ちもある。走りながら富士山は見えたし景色を楽しみながら走ることができた」

●5区・和田優香里選手
「前半の区間の人の貯金と後半に力のある選手がいるという心の支えがあって自分の役割を全うすることが出来た。気負いすぎずに自分の走りをしようと思っていた。タイムも走りも納得できないけどトップで繋げたのは良かった。良い時も悪い時もあったけど先輩方に支えてもらって感謝の気持ちでいっぱい。今年は前後の区間の人に支えてもらって優勝できたので次は自分の力で優勝に貢献できるようにもっと強くなりたい」

●6区・太田琴菜選手
「今日は7区の真衣さんに笑顔でゴールしてもらうことだけを考えて走ったので、それで自分のタイムが出たのは嬉しいけどそれ以上にチームが優勝できたのが一番嬉しい。十倉さんから貯金をと言われて走ったので、それが仕事だと思って走ったのでそれができて嬉しいし、さらに区間新が出たのは嬉しいけどまだまだ周りの人のおかげというのがあったので、おごらずにもっと精進したい。良い位置で襷を頂いたのとチームで優勝したいと自然に思えたのと周りの先輩達がいるという信頼が大きかったのが走れた要因。全女5連覇と富士山3連覇という新しい歴史に名を刻める権利を頂いたのでしっかり達成したい」

●7区・津田真衣選手
「凄いコースだなというのが第一印象で試走もしないでぶっつけ本番だった。こういうコースだからこそ見応えのある大会だなと走りながら感じた。後輩がタイムを稼いできてくれたので、余裕を持って走りきることができた。5日前くらいにアンカーで行くと言われてきついコースだと知っていたのである程度覚悟を決めていた。怪我は完治しているわけではないけど練習は積めていたので仙台の時よりは自信を持って挑むことができた。同学年にも走りたいという気持ちで練習してきた子もいるのでその子達の分も絶対に優勝しようと思っていたし、強いチームは下級生が強いというのがあるので私たちの大学は下級生の勢いが強みだと思っている。いつも頼りなくて後輩に励ましてもらってばっかりなのに大会になったら『真衣さんのために』って言ってくれたので本当に良い後輩達だなと思う。三井さんは凄くいい方なので実業団で一緒にできるのは心強い。長い距離の方が良いなと思っているので実業団ではすぐにマラソンをやりたい。一人一人が1秒を大切にしたのがこの結果に繋がった。立命館大学に入って全日本やユニバーシアードなど色んな大会に出させてもらって本当にたくさん良い経験をさせていただいて自分はこの大学に強くしてもらったと思っているので、大学で関わった全ての人に感謝の気持ちでいっぱい。後輩達は才能のある子達が多いので大学だけじゃなく社会人と混ざった大会で活躍して世界陸上や五輪に出場してほしい」

[記事:馬場遼、写真:馬場遼、成澤郁美]

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